最新記事

北朝鮮

トランプ、日中首脳と電話会談 25日の北朝鮮軍創建記念日控え

2017年4月24日(月)18時03分

4月24日、安倍晋三首相(写真右)とトランプ米大統領(写真左)は24日午前(日本時間)に電話会談し、北朝鮮に挑発行為の自制を強く求めることで一致した。トランプ大統領の写真はワシントンで今年3月、安倍首相の写真は都内で2014年11月撮影(2017年 ロイター/Kevin Lamarque/Toru Hanai)

安倍晋三首相とトランプ米大統領は24日午前に電話会談し、北朝鮮に挑発行為の自制を強く求めるとともに、中国に役割拡大を促す方針を確認した。北朝鮮軍の創建記念日を翌日に控えて日米韓が核実験などに身構える中、その後にトランプ氏と電話会談した中国の習近平国家主席は、関係各国に冷静な対応を求めた。

安倍首相はトランプ氏との会談後、記者団に対し「すべての選択肢がテーブルにあることを言葉と行動で示すトランプ大統領の姿勢を高く評価した」と説明。「危険な挑発行動を繰り返す北朝鮮に強く自制を求めていくことで完全に一致した」と語った。萩生田光一官房副長官によると、北朝鮮との結びつきが強い中国に、一段の役割を果たすよう働きかけていく方針も共有した。

4月は北朝鮮で記念日が続くうえ、米韓軍が大規模な合同演習を実施していることから、金正恩政権が挑発行動に出ることが懸念されている。とりわけ朝鮮人民軍創建85年に当たる25日は、6回目の核実験を踏み切る可能性が指摘されており、米国は空母カール・ビンソンを朝鮮半島の近海に派遣するなどして圧力を強めている。

日本は海上自衛隊の護衛艦2隻を西太平洋へ送り、カール・ビンソン率いる空母打撃群と合流。半島へ北上中の同打撃群と23日から共同訓練を始めた。安倍首相は「引き続き米国と緊密に連携し、高度な監視体制を維持し、我が国として毅然として対応する」と述べた。韓国軍も同打撃群との共同訓練を実施する方向で調整している。

北朝鮮はこうした動きに反発。朝鮮労働党の機関紙・労働新聞を通じ、「朝鮮人民軍は米原子力空母を一撃で沈める用意がある」とした上で、空母を「不快な動物」にたとえ、攻撃すれば「北朝鮮の軍事力を示す実例になる」と強調した。北朝鮮が22日に米国籍の民間人男性を拘束したことも、緊張を高めている。これで北朝鮮に拘束中の米国人は3人となった。

トランプ大統領は安倍首相との会談後、中国の習国家主席とも電話で協議した。中国国営メディアによると、習主席は国連安保理決議に反するあらゆる行動に断固反対すると表明する一方、緊張を高めないよう関係各国に自制を求めた。

(梅川崇、久保信博、ベン・ブランチャード、ジュミン・パク)

[東京/北京 24日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ゼレンスキー氏「米国の和平案推し進める用意」、 欧

ビジネス

米CB消費者信頼感、11月は88.7に低下 雇用や

ワールド

ウクライナ首都に無人機・ミサイル攻撃、7人死亡 エ

ビジネス

米ベスト・バイ、通期予想を上方修正 年末商戦堅調で
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 3
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後悔しない人生後半のマネープラン
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 6
    放置されていた、恐竜の「ゲロ」の化石...そこに眠っ…
  • 7
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 8
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 9
    使っていたら変更を! 「使用頻度の高いパスワード」…
  • 10
    トランプの脅威から祖国を守るため、「環境派」の顔…
  • 1
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 2
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 3
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 4
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 7
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 10
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦…
  • 8
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中