最新記事

日米関係

中国、「安倍訪米はアメリカにも危険」

日本は周辺国との揉め事にアメリカを巻き込むトラブルメーカーだと警告

2015年4月28日(火)15時54分
シャノン・ティエジー

安倍は問題児? にこやかに会話を交わす米中首脳の後ろに立つ日本の安倍首相(昨年11月のAPECで) Kim Kyung-Hoon(China)-Reuters

 安倍晋三首相は今朝、ボストンに到着した。5月3日まで8日間の日程で首都ワシントン、サンフランシスコ、ロサンゼルスを回り、バラク・オバマ大統領と会談するほか、日本の首相としては初めて米上下両院合同会議で演説を行う。

 今回の訪米の主要な目的は日米の防衛協力の拡大だ。首脳会談に先立ち、日米両政府はニューヨークで開かれた外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)で、「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」の改定に合意した。新ガイドラインは、東シナ海と南シナ海への中国の進出を念頭に置いたもので、中国は安倍の訪米に神経を尖らせている。

 中国が日米同盟の強化を警戒するのは驚くには当たらない。東シナ海での度重なる領海侵犯や南シナ海の岩礁の埋め立てなど、領有権の主張をエスカレートさせる中国に対して、日米両政府ともはっきりと遺憾の意を表明しているからだ。

 興味深いことに、中国の政府とメディアは、安全保障の観点から直接日米同盟の強化を批判するのではなく、歴史問題を引き合いに出し、安倍の姿勢を攻撃する方法をとっている。安倍が第2次大戦中の残虐行為について十分に謝罪せず、過去の過ちを直視しないからこそ、日本の軍事力強化は世界の平和に対する脅威になる--中国が振りかざすのはそんな論理だ。

「歴史問題に関する日本の指導者の対外的な声明やメッセージは、日本とアジアの近隣諸国の和解プロセスに影響を与えるだけでなく、日本が平和的な発展の道から外れていないかどうかを国際社会は判断すべきだ」と、中国外務省の洪磊(ホン・レイ)報道官は先日の記者会見で述べた。

 つまり、中国に言わせれば、日本の指導者が過去をどう捉えているかで、日本がどんな未来を志向しているかが分かるというわけだ。

 13年12月に安倍が靖国神社に参拝して以降、中国は盛んにこうした主張を繰り返すようになった。中国のみるところ、安倍の歴史問題に対する傲慢な姿勢と、日本の平和憲法の解釈変更の動きは、車の両輪のようなものだ。新華社通信は安倍訪米を伝える記事で、安倍の歴史修正主義は「米政府と議会に平手打ちを食わせるものだ」と警告した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米メキシコ湾の有望深海油田、最大51%権益入札に欧

ワールド

米国防長官、陸軍参謀総長を解任=関係筋

ワールド

ゼレンスキー氏、ホルムズ海峡巡りウクライナの専門知

ワールド

ハマス、イスラエルのガザ全面撤退保証なしの武装解除
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
2026年4月 7日号(3/31発売)

国際基準の情報開示や多様な認証制度──本当の「持続可能性」が問われる時代へ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イラン恐怖」の正体
  • 2
    年金は何歳からもらうのが得? 男女で違う「最適な受給年齢」
  • 3
    破産申請の理由の4割以上が「関税コスト」...トランプ関税が米国民に与える「破産」の苦しみ
  • 4
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 5
    血圧やコレステロール値より重要?死亡リスクを予測…
  • 6
    日本の男女の賃金格差は世界でも突出して大きい
  • 7
    人口減の自治体を救う「小さな浄水場」──誰もが常に…
  • 8
    先進国が出生数の減少を嘆く必要はない? 「経済的…
  • 9
    「一般市民に敵意なし」...イラン大統領が米国民宛て…
  • 10
    200年前の沈没記録が裏付けられた...捕鯨船を海の藻…
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 3
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 4
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 5
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 6
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 7
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 8
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 9
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 10
    オランウータンに「15分間ロックオン」された女性のS…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中