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世界の海をめざす中国海軍の危険な野望

2010年4月28日(水)16時16分
HDS・グリーンウェイ

アメリカに働きかけるアジア諸国の不安

 一方、再び中国の「属国」にさせられる事態を懸念する東南アジア諸国は、太平洋地域から手を引かないようアメリカに密かに働きかけている。米海軍が引き続き強大なプレゼンスを発揮することで、地域のパワーバランスが守られるという思惑があるからだ。日本も中国の海軍力増強に警戒を強めている。

 09年にドイツを抜いて世界一の輸出国に躍り出た中国は、世界の鉱物資源を買い漁る輸入大国でもある。経済の生命線を守るために、世界の海を支配したいと考えるのは当然だ。

 海軍力は大国の象徴でもある。その意味で、中国の海軍力増強は米国防総省を苛立たせ、中国をアメリカの軍事覇権への大きな脅威とみなす人々に動揺を与えるだろう。

 もっとも、今の中国の船舶技術は、15世紀のように際立っているわけではなく、外洋船の規模もアメリカより格段に小さい。第一次大戦以前のイギリスとドイツの海軍力競争に比べれば、今の米中の競争など大した話ではない。

台湾問題で米中の均衡が崩れる?

 米中の対立に一気に火がつく火種があるとすれば、台湾海峡の問題かもしれない。アメリカは、台湾は中国の一部であると認めつつも、政治上の統合は平和的に進められなければならないと主張して台湾を保護してきた。一方、中国は台湾の独立を認めないと公言している。
 
 仮に中国が、海上交通路を守り、世界の海で国力を誇示する以上の軍事的野心をもつようになれば、米海軍による台湾海峡の支配にノーを突きつけることになるだろう。別の言い方をすれば、中国が自国の重要な一部とみなす台湾を取り戻す必要に迫られた場合には、アメリカに邪魔されたくないと思うはずだ。

 中台関係にかぎって言えば、中国にとってもアメリカにとっても台湾にとっても、現状維持が最も国益にかなっている。中国の海軍力が今後まずます増大すれば、台湾海峡の緊張を抑えるという重大な任務が、米中両国の外交官や政治家の肩にのしかかるだろう。

*グローバル・ポスト特約
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