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イルミネーション

隣家がキラキラしすぎて裁判沙汰 ヨーロッパで必須のクリスマス電飾は無駄遣い?

2019年12月23日(月)17時50分
岩澤里美(スイス在住ジャーナリスト)

2017年からチューリヒ中央駅付近でクリスマスの時期に開催されている光の祭り「Illuminarium」 Photo: Illuminarium produced by Projektil

<心踊るシーズンに突入したが、浮き足立ってはいられない。イルミネーションは、時としてご近所トラブルの原因になる可能性が...>

スイスでは「電飾ブーム」で訴訟まで

ヨーロッパでは、クリスマスは年明けよりも断然盛り上がる。クリスマスの飾り付け、プレゼントの準備、お菓子を手作り、職場でパーティー、学校や教会での劇やコンサートなど楽しいながら、ある種の緊張感も漂う。最もクリスマスらしさを感じさせるのは、ツリーや電飾だろう。スイスでは、その電飾が目に見えて増えてきた。

筆者の夫(スイス人)は、「アメリカ化している。前は、これほど、きらびやかではなかった」と冷ややかな目で見ている。とてもスイスらしい風光明媚な村に長年住む筆者の日本人の友人も「都市部もそうだけれど、この(田舎の)辺りでも、少し異様なくらいに派手な電飾をつけるようになっている」と話す。

繁華街の飾り付けはそれでも理解できるが、個人宅(外壁や窓や庭)を電飾で照らす人たちも多い。数年前、電飾の売れが大きく伸びていて「個人宅のクリスマス電飾ブーム」という報道があったが、派手な電飾の家は、そのゴージャスさを一目見ようと人が来たり取材を受けたりして喜ぶ家主もいる。隣家の電飾があまりに明るいため、訴訟を起こした人さえいる。  

【参考記事】雪道もノープロブレム! ハイジの村発「ベビーカー用ミニスキー」

6週間はキラキラOK。エネルギー消費は?

寝室に明かりが差して眠りを妨げるなど、隣家の電飾が迷惑なときは、まず話し合うことだという。

ただし、スイスの法では、クリスマスイブの約4週間前と2週間後の計6週間は、電飾は多くの人にとって祝賀の伝統として好意的に受け入れられているため、家庭の電飾には深夜1時までは寛容でいなくてはならないと定めている。

【参考記事】「日本のハイジ」を通しスイスという国が受容されている──スイス国立博物館のハイジ展の本気度

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