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バイデン大統領、「安保リスク」理由にUSスチールの買収を阻止...補佐官は、「日本軽視」の意図ないと発言

2025年1月4日(土)11時42分
USスチール買収を阻止された日本製鉄

バイデン米大統領は3日、日本製鉄によるUSスチール買収を阻止することを決めたと明らかにした。日鉄本社で4月撮影。(2025 ロイター/Issei Kato/File Photo)

バイデン米大統領は3日、日本製鉄によるUSスチール買収を阻止することを決めたと発表した。米国の安全保障を損なう恐れがあるとした。米大統領選を挟んで約1年攻防が続いた買収計画は、不成立で終わる可能性が濃厚となった。

バイデン大統領は声明で「国内で所有、運営される強力な鉄鋼産業は国家安全保障の優先事項であり、強じんな供給網にとって欠かすことができない」と説明。「国内に鉄鋼の生産能力を保有し、そこで働く労働者がいなければ、米国は弱く不安定化する」とした。

同買収を審査してきた対米外国投資委員会(CFIUS)は昨年末、国家安全保障上のリスクについて省庁間で意見がまとまらず、大統領に判断を委ねていた。米紙ワシントン・ポストによると、CFIUSは買収を認めれば米国内の鉄鋼生産が減少し、「国家安全保障上のリスクがある」とホワイトハウスに伝えたという。

日鉄は2023年12月にUSスチールを141億ドル(約2兆円)で買収すると発表した。世界で最も鉄の消費が多い米国市場で成長を模索する計画だった。業績不振が続くUSスチールは、日鉄の買収が実現しなければ資金が不足し、主要工場の生産を止める可能性があると訴えてきた。

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