最新記事

エネルギー

ノルドストリーム1、点検終了でガス供給再開 供給量削減されるか懸念

2022年7月21日(木)16時45分
ボスニア・ヘルツェゴビナのノルドストリーム1のガスパイプライン

独メディアによると、ロシアと欧州を結ぶ主要ガスパイプライン「ノルドストリーム1」の運営会社は、ロシアからドイツへのガス供給開始を発表した。写真はボスニア・ヘルツェゴビナのゼニツァで18日撮影(2022年 ロイター/Dado Ruvic)

ロシアと欧州を結ぶ主要ガスパイプライン「ノルドストリーム1」の運営会社は、10日間の定期メンテナンスを終えてドイツへのガス供給が21日に再開したと発表した。欧州への供給を巡る懸念が和らいだ。

運営会社「ノルドストリームAG」の広報担当者はロイターに対し「ガス輸送の再開を進めているところだ。所定の量に達するには数時間を要する可能性がある」と述べた。

一部で懸念されていた点検期間の延長はなかった。ただ、欧州各国は再開後にガス供給量がさらに削減される可能性に身構えている。

ノルドストリーム1の輸送能力は年間550億立方メートル。11日からメンテナンスに入っていた。

運営会社のウェブサイトによると、0400─0500GMT(日本時間午後1─2時)の輸送量は1時間当たり約2139万キロワット時(kWh)で、それ以前はゼロだった。

オーストリアのエネルギー企業OMVの広報担当者は21日の供給量について、ロシア国営ガスプロムが契約比約5割減の稼働停止前並み水準になることを示唆したと述べた。

ロシアのプーチン大統領は20日、ノルドストリーム1について、関連設備の問題で供給をさらに絞るか停止する可能性があると警告。これを受けて欧州連合(EU)は加盟国に、来年3月までガス使用量を15%削減するよう提案した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエル、ソマリランドを初の独立国家として正式承

ワールド

ベネズエラ、大統領選の抗議活動後に拘束の99人釈放

ワールド

ゼレンスキー氏、和平案巡り国民投票実施の用意 ロシ

ワールド

ゼレンスキー氏、トランプ氏と28日会談 領土など和
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 6
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 7
    中国、米艦攻撃ミサイル能力を強化 米本土と日本が…
  • 8
    赤ちゃんの「足の動き」に違和感を覚えた母親、動画…
  • 9
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 10
    【世界を変える「透視」技術】数学の天才が開発...癌…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中