最新記事

人権問題

テスラ、ウイグルにショールームをオープン 米人権団体などが一斉に非難

2022年1月5日(水)07時55分
中国国旗とテスラのロゴ

米電気自動車大手テスラが中国西部、新疆ウイグル自治区にショールームを開設したことで米国の人権団体などから批判を浴びている。写真はイメージ。昨年1月撮影(2022年 ロイター/Dado Ruvic)

米電気自動車大手・テスラが中国西部、新疆ウイグル自治区にショールームを開設したことで米国の人権団体などから批判を浴びている。

テスラは12月31日、短文投稿サイト「微博(ウェイボ)」の公式アカウントに、新疆ウイグル自治区のウルムチにショールームを開設したことを明らかにした。

米国最大のイスラム教市民団体「米イスラム関係評議会(CAIR)」は4日、ツイッターの公式アカウントに「テスラは大量虐殺を支援している」と投稿。「(創業者の)イーロン・マスク氏は新疆ウイグル自治区のショールームを閉鎖しなければならない」と訴えた。

米製造業提同盟(AAM)やルビオ米上院議員もテスラを批判した。

テスラは、コメントの要請に返答していない。

国連の専門家や人権団体は、新疆ウイグル自治区で100万人以上のウイグル族などイスラム系少数民族が収容所に拘束されていると指摘している。

一方、中国は施設では職業訓練を行っているとして、強制労働などの虐待行為を否定している。

バイデン米大統領は12月23日、強制労働を巡る懸念を理由に新疆ウイグル自治区からの輸入を原則禁じる「ウイグル強制労働防止法案」に署名した。

ホワイトハウスのサキ報道官は、テスラのショールーム開設について直接の発言を控えるとした上で、一般論として「民間部門は新疆ウイグル自治区における中国の人権侵害に反対すべきだ」とコメント。「官民を含む国際社会は、新疆で起きていることから目をそらすことはできない」と述べた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・中国の不動産バブルは弾けるか? 恒大集団の破綻が経済戦略の転換点に
・中国製スマホ「早急に処分を」リトアニアが重大なリスクを警告
・武漢研究所、遺伝子操作でヒトへの感染力を強める実験を計画していた



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

G7外相、ロシア凍結資産活用へ検討継続 ウクライナ

ビジネス

日銀4月会合、物価見通し引き上げへ 政策金利は据え

ワールド

アラスカでの石油・ガス開発、バイデン政権が制限 地

ビジネス

米国株から資金流出、過去2週間は22年末以来最大=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 3

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の衝撃...米女優の過激衣装に「冗談でもあり得ない」と怒りの声

  • 4

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 5

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 6

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 9

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 10

    日本の護衛艦「かが」空母化は「本来の役割を変える…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中