利回りはなんと12%、ダイソンの空気清浄器やグッチのバッグまでもらえ、中国随一の不動産開発会社による保証付き――。こうした条件に誘われ、何万人もの投資家が中国恒大集団の資産運用商品「理財商品」を購入した。

その多くは今、投資資金が返ってこないのではないかと恐れている。同社が資金難に陥って一部投資家への債務返済を中止し、世界中に警報を響かせたからだ。

恒大集団は18日から、現金に代わって割引されたアパートやオフィス、店舗、駐車場での返済を始めたが、一部投資家は受け入れを拒否し、同社オフィスに詰めかけて抗議している。

「エレベーターで広告を見て買った。恒大集団は米誌フォーチュンの「グローバル500」に載っている企業だから信頼したのだ」と語るのは、同社の不動産を所有する広東省のドゥーさんだ。恒大集団は同省に本拠を構える。

利回りが7%を超える同社の理財商品に昨年65万元(10万0533ドル)をつぎ込んだドゥーさんは、「汗水垂らして稼いだ金を返さない恒大集団は道義に反する」と憤った。

恒大集団傘下のエバーグランデ・ウェルスは2016年、個人間で資金を融通する「ピア・ツー・ピア(P2P)」のプラットフォームとして発足し、当初はその収益を不動産プロジェクトに充てていた。エバーグランデ・ウェルスの営業担当者によると、過去5年間に恒大集団の従業員、その家族や友人、同社の不動産所有者を含む8万人以上の人々が同社の理財商品を買い、その総額は1000億元を超えた。現在の残高は約400億元だという。

中国で祝日にあたる21日、恒大集団にコメントを求めたが返答はなかった。

3000億ドル余りの負債を抱えた恒大集団の流動性危機は今週、世界中の市場を揺るがした。同社は理財商品の投資家に返済を行うと表明している。

クリスマス商戦

中国政府が数年前から経済全体の債務を圧縮する取り組みを強めた結果、企業は資金手当てのために簿外商品に手を出さざるを得なくなった。

政府は昨年、不動産開発会社の債務上限をさらに厳格化。恒大集団など借金を抱えた業者は資金繰りのために新たな資金源を探す必要に迫られ、従業員やサプライヤー、顧客にコマーシャルペーパー(CP)や投資信託、理財商品を売って現金を入手する道に走った。

事実上、恒大の商品