最新記事

通商交渉

トランプ「日本と関税障壁とデジタル貿易で合意」 数週間中に協定締結

2019年9月17日(火)10時11分

トランプ米大統領は、関税障壁に関して日本と暫定的な合意に達したことを明らかにした。写真は8月に仏ビアリッツで行われたG7サミットで会談する安倍首相とトランプ大統領(2019年 ロイター/Carlos Barria)

トランプ米大統領は16日、関税障壁とデジタル貿易に関して日本と合意に達したことを明らかにした。いずれも議会の承認は必要ないとした。包括的な貿易協定に向けて交渉を継続する意向も示した。

ホワイトハウスが公表した議会への書簡で、トランプ大統領は、向こう数週間中に関税障壁に関して日本と協定を結ぶ意向を示し、協定は米国大統領に相手国と相互の関税引き下げを行う権限を認めた通商法の規定に従って結ばれると通知した。

大統領は、デジタル貿易に関して日本と行政協定を結ぶ方針も伝えた。

承認を加速する枠組みの下、いずれの協定も議会での採決を必要としない。

日米通商交渉はここ1年で範囲が狭まり、米国の対日貿易赤字の大部分を占める自動車分野の合意は先送りされている。

トランプ大統領と安倍晋三首相は8月、フランスで開かれた主要7カ国(G7)首脳会議に合わせて会談し、農産品や工業品の関税引き下げに関する大枠合意を発表。9月の国連総会前後の署名を目指すと表明していた。自動車は合意に含まれなかった。

トランプ大統領が議会に送付した書簡では、協定の内容は明らかにされていない。

トランプ氏は書簡で、日本との通商交渉を継続する意向も示し、「日米間の一段と公平で互恵的な貿易につながる包括的な貿易協定に向け、米政権は日本とのさらなる交渉で議会と引き続き協力することを期待する」と表明した。

トランプ大統領が通商拡大法232条に基づく関税を日本の自動車・部品に適用しないことで合意したかどうかは不明だ。トランプ氏は8月のG7首脳会議後、日本からの自動車輸入に対する関税引き上げは「現時点で」検討していないと述べている。

*内容を更新しました。

[ワシントン 16日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 韓国新大統領
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年6月10日号(6月3日発売)は「韓国新大統領」特集。出直し大統領選を制する「政策なきポピュリスト」李在明の多難な前途――執筆:木村 幹(神戸大大学院教授)

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ロサンゼルスで移民の抗議活動、トランプ政権が州兵派

ワールド

コロンビア大統領選の候補者、銃撃される 容疑者逮捕

ビジネス

CPIや通商・財政政策に注目、最高値視野=今週の米

ワールド

マスク氏との関係終わった、民主に献金なら「深刻な結
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:韓国新大統領
特集:韓国新大統領
2025年6月10日号(6/ 3発売)

出直し大統領選を制する李在明。「政策なきポピュリスト」の多難な前途

メールマガジンのご登録はこちらから。
メールアドレス

ご登録は会員規約に同意するものと見なします。

人気ランキング
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 3
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラドールに涙
  • 4
    猫に育てられたピットブルが「完全に猫化」...ネット…
  • 5
    ペットの居場所に服を置いたら「黄色い点々」がびっ…
  • 6
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 7
    日本の女子を追い込む、自分は「太り過ぎ」という歪…
  • 8
    ウクライナが「真珠湾攻撃」決行!ロシア国内に運び…
  • 9
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 10
    50歳を過ぎた女は「全員おばあさん」?...これこそが…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中