最新記事

韓国経済

韓国8月消費者物価指数、過去最低 GDPも下方改定でデフレの懸念

2019年9月3日(火)10時15分

韓国統計局が発表した8月の消費者物価指数(CPI)は前年比横ばいで、前年比の伸びとしては過去最低となった。写真はソウルのスーパーで2011年4月撮影(2019年 ロイター/Truth Leem)

韓国統計局が発表した8月の消費者物価指数(CPI)は前年比横ばいで、前年比の伸びとしては過去最低となった。また、韓国銀行(中央銀行)が発表した第2・四半期の国内総生産(GDP)改定値は輸出の下方修正を受けて速報値から引き下げられた。

8月のCPIは、ロイター調査では前年比0.2%上昇が予想されていた。気象条件の改善により農産品価格が下落したほか、消費者の需要が引き続き軟調となり、中銀が早ければ来月にも追加利下げに踏み切る可能性が高まった。

CPIは前月比では0.2%上昇。市場予想は0.5%上昇だった。

これとは別に、中銀が発表した第2・四半期のGDP改定値は季節調整済み前期比1.0%増と、速報値の1.1%増から下方改定された。米中貿易摩擦が長引く中、輸出の伸びが2.0%と、速報値の2.3%から引き下げられた。

GDPは前年比の伸び率も速報値の2.1%から2.0%に下方改定された。

軟調なCPIおよびGDP統計を受けてデフレリスクを巡る懸念が強まる可能性がある。

コリア・インベストメント・アンド・セキュリティーズのフィクストインカムストラテジスト、オー・チャンソブ氏は「デフレの状況にはまだ陥っていないが、景気の弱さを示すデータが増えるにしたがい、中期的にデフレについて考え始める必要がある」と話した。

[ソウル 3日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20190910issue_cover200.jpg
※9月10日号(9月3日発売)は、「プーチン2020」特集。領土問題で日本をあしらうプーチン。来年に迫った米大統領選にも「アジトプロップ」作戦を仕掛けようとしている。「プーチン永久政権」の次なる標的と世界戦略は? プーチンvs.アメリカの最前線を追う。



ニューズウィーク日本版 AIの6原則
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年7月22日号(7月15日発売)は「AIの6原則」特集。加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」/仕事・学習で最適化する6つのルールとは


今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

ビットコイン、初の12万ドル突破 「どこで止まるか

ビジネス

FSB、気候変動リスク対応の中期計画発表 新政策は

ワールド

米国、ウクライナへの武器・弾薬供与を継続=ロシア大

ビジネス

ドイツ輸出企業、市場シェア大幅減 競争力低下と連銀
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首」に予想外のものが...救出劇が話題
  • 2
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打って出たときの顛末
  • 3
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別「年収ランキング」を発表
  • 4
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 5
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 6
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 7
    「史上最も高価な昼寝」ウィンブルドン屈指の熱戦中…
  • 8
    真っ赤に染まった夜空...ロシア軍の「ドローン700機…
  • 9
    【クイズ】次のうち、生物学的に「本当に存在する」…
  • 10
    ただのニキビと「見分けるポイント」が...顔に「皮膚…
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首」に予想外のものが...救出劇が話題
  • 4
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 5
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 8
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 9
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 10
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中