最新記事

日韓関係

菅官房長官「韓国、ホワイト国除外するが連携すべきはしっかり連携」

2019年8月2日(金)12時27分

菅義偉官房長官は2日午前の会見で、安全保障上の輸出管理で優遇措置の対象としている「ホワイト国」のリストから韓国を除外する政令改正を同日閣議決定したことを明らかにした。(2019年 ロイター/Toru Hanai)

菅義偉官房長官は2日午前の会見で、安全保障上の輸出管理で優遇措置の対象としている「ホワイト国」のリストから韓国を除外する政令改正を同日閣議決定したことを明らかにした。一方、日韓の安保協力については「日韓関係は現在非常厳しい状況にあるものの連携すべき課題はしっかり連携するのが重要」と強調。北朝鮮に関する韓国との情報共有についても、しかるべき意思は疎通していると述べた。

ホワイト国除外、サプライチェーンへの影響考えられず

ホワイト国から韓国を除外したことに関して、菅官房長官は「あくまで優遇措置を撤回し、東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国と台湾など、他の国・地域と同様の扱いに戻すもの」と説明。「これらの国・地域にはこれまでも厳格に輸出管理を適応し、密接な経済関係を構築しており、グローバル・サプライチェーンへの影響は全く考えられない」と述べた。

さらに「あくまで、韓国の輸出管理制度に不十分な点があることを踏まえた、輸出管理を適切にするための運用見直しであり、日韓関係に影響を与えることは意図しておらず、ましてや対抗措置ではない」、「安全保障の観点から必要な措置」と指摘した。

市場動向、常に注視

トランプ米大統領が対中追加関税第4弾を発動すると表明したことを受けて日経平均株価が大幅安となっていることについては「市場の動向は常に注視しており、万全の対策をとっている」と述べた。

一方、ロシアのメドベージェフ首相が択捉島を訪問したとの一部報道に関しては、「情報収集中」とした上で、「ロシア要人による北方4島訪問は、領土問題に関するわが国と立場を相容れない」と不快感を示した。

米国が要請している、ホルムズ海峡の航行の安全を確保するための有志連合に日本は艦船を派遣しないとの一部報道については、「情勢を注視している段階」と述べるにとどめた。

*内容を追加しました。

(竹本能文 編集:田中志保)

[東京 2日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

20240423issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年4月23日号(4月16日発売)は「老人極貧社会 韓国」特集。老人貧困率は先進国最悪。過酷バイトに食料配給……繫栄から取り残され困窮する高齢者は日本の未来の姿

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

G7外相、イスラエルとイランの対立拡大回避に努力=

ワールド

G7外相、ロシア凍結資産活用へ検討継続 ウクライナ

ビジネス

日銀4月会合、物価見通し引き上げへ 政策金利は据え

ワールド

アラスカでの石油・ガス開発、バイデン政権が制限 地
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 3

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の衝撃...米女優の過激衣装に「冗談でもあり得ない」と怒りの声

  • 4

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 5

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 6

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 7

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 8

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 9

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 10

    日本の護衛艦「かが」空母化は「本来の役割を変える…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中