コラム

増加し続けるウクライナ軍の「脱走兵」は20万人に...「限界見えたプーチン」との妥協はあるか

2024年12月12日(木)20時20分
増加するウクライナ軍の脱走兵問題

ウクライナ中部クリヴィー・リフではアゾフ連隊を志願する十代の若者たちが訓練を受けていた(昨年5月、筆者撮影)

<ロシア軍はこの数カ月間、1日1000人超の犠牲者を出し続けているが、一方のウクライナ軍も苦しい状況に追い込まれている>

[ロンドン発]半世紀以上にわたりシリアを支配してきたアサド独裁政権の呆気ない崩壊で有力支援国ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の限界が浮き彫りになる中、ロシアの侵略に抗してきたウクライナ軍からの脱走兵は累計で20万人に達したとの見方もある。

プーチン寄りの発言を繰り返し「大統領に返り咲いたら1日でウクライナ戦争を片付ける」と豪語してきたドナルド・トランプ米次期大統領の復活で、消耗戦に疲れ果てたロシアとウクライナが歩み寄る可能性も急浮上してきた。

2022年2月にロシアの全面侵攻が始まったウクライナ戦争の犠牲者はロシア軍の死傷者70万人以上。この数カ月、1日1000人以上の犠牲者を出している(米国防総省)。プーチンは北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記に北朝鮮兵1万1000人の援軍を頼んだ。

一方、ウクライナ軍は死者4万3000人、負傷者37万人(ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領)とされる。ロシア軍の攻勢が増す中、戦死するか、重傷でも負わない限り、ウクライナ兵に休息は認められない。

「トランプが戦争を早く終わらせてくれることを祈る」

英大衆紙デーリー・メール(12月12日付)は「トランプが戦争を早く終わらせてくれることを祈るばかりだ」というウクライナ軍脱走兵の言葉を伝えている。この脱走兵は「週末、地元の市場を訪れた時、今やどこにでもいるウクライナ軍のプレスギャングに連行された」という。

プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

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