コラム

岸田首相の大型経済対策...内容的には期待できそうなのに、効果が出るとは全く思えない理由

2023年10月19日(木)17時50分

岸田氏は、派閥の創始者である池田勇人元首相の経済政策を模範にしているとされる。池田氏が提唱した「所得倍増」というキーワードは、安保闘争で疲弊していた国民の心に響き、当時は高成長が続いていたため、容易に所得を2倍に拡大できた。

だが、今の時代はそうした環境にはなく、その中で賃金を確実に上げていくには、明確な道筋を示し、それに基づいて確実に政策を実施していく努力が必要となる。当初はそれが、岸田氏の掲げる「新しい資本主義」だったのかもしれないが、残念なことに国民の間に十分に浸透しているとは言い難い。

解散が取り沙汰される今、岸田氏に求められているのは具体的な物語を国民に示すことである。

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プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネスなどの分野で執筆活動を行うほか、テレビやラジオで解説者やコメンテーターを務める。『お金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)、『スタグフレーション』(祥伝社新書)、『本気で考えよう! 自分、家族、そして日本の将来』 (幻冬舎新書)など著書多数。

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