インドネシア中銀、予想通り金利据え置き 追加緩和に含み
[ジャカルタ 18日 ロイター] - インドネシア中央銀行は18日、主要政策金利の7日物リバースレポ金利を予想通り5.50%に据え置き、利下げサイクルを一時停止した。経済を下支えするために商業銀行に貸出金利の引き下げと信用供与の拡大を促した。
ロイター調査では、エコノミスト31人中21人が現状維持を予想していた。翌日物預金金利と貸出金利もそれぞれ4.75%と6.25%に据え置かれた。
関税や地政学的な不確実性がインドネシア経済に逆風となる中、エコノミストは中銀が緩やかなペースでの金融緩和を続ける可能性が高いと指摘する。今年後半にさらに50ベーシスポイント(bp)の利下げを予想する声もある。
インドネシア中銀は昨年9月以降、3回にわたり利下げを実施してきた。その一方で今年の経済成長見通しをすでに2度下方修正しているが、今回は下半期の経済活動改善を見込んで4.6─5.4%の成長見通しを据え置いた。。
ペリー・ワルジヨ中銀総裁は記者会見で、インフレ率は今年と来年も目標範囲内に収まると予想されるとした上で、家計支出と投資には刺激が必要なことから、追加利下げに柔軟な姿勢を維持すると述べた。
「(利下げの)タイミングは当然ながら世界情勢、特に通貨ルピアの安定に左右される」と指摘した。
また銀行に対し、中銀の緩和策に沿って貸出金利を引き下げるよう求めた。5月の融資の伸びが8.43%に鈍化したことを理由として挙げた。LSEGのデータによると、これは2023年6月以来の低水準だった。
中銀が銀行の預金準備率要件を緩和したことにより、372兆ルピア(228億3000万ドル)の追加流動性を金融機関に供給したと述べた。
5月の前年比インフレ率は1.6%で、中銀が目標とする1.5─3.5%の下限付近だった。一部のアナリストは、低インフレは低調な個人消費によるものと指摘している。
DBSのエコノミスト、ラディカ・ラオ氏は、「インフレ見通しは穏やかであるにもかかわらず、中銀の政策担当者は最近の中東情勢の緊張と、地域通貨への影響を懸念している可能性が高い」との見方を示した。
同氏は今年、合計50bpの利下げが行われ、政策金利の最終到達点が5%になると予想している。