ニュース速報
ワールド

プーチン氏が復活祭の停戦宣言、ゼレンスキー氏「信用できない」

2025年04月20日(日)09時37分

 ロシアのプーチン大統領は19日、復活祭に合わせてウクライナでの一時的な停戦を宣言し、モスクワ時間19日午後6時(日本時間20日午前0時)から21日午前0時(同午前6時)までの30時間、軍事行動を停止するよう自国軍に命じた。代表撮影。Sputnik提供(2025年 ロイター)

Lucy Papachristou

[19日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領は19日、復活祭に合わせてウクライナでの一時的な停戦を宣言し、モスクワ時間19日午後6時(日本時間20日午前0時)から21日午前0時(同午前6時)までの30時間、軍事行動を停止するよう自国軍に命じた。

一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は、トランプ米大統領が先月仲介した停戦案をロシアは拒否しており、信用できないと表明。ロシア軍が砲撃を続けているとした上で、真の停戦を求めた。

プーチン大統領は会議でゲラシモフ軍参謀総長に、「人道的配慮に基づき、ロシア側は復活祭の休戦を発表する。この期間の全ての軍事活動の停止を命じる」と指示した。その上で「ウクライナがわれわれに同調することを想定している。同時に、わが軍は停戦違反や敵の挑発行為、攻撃的な行動を撃退する準備を整えるべきだ」と述べた。

ロシア国防省は、ウクライナに対する「特別軍事作戦」の実施地域の全司令官に戦闘の一時停止を命じたと発表した。ロシア軍はウクライナとの「相互尊重」を条件に停戦を順守するとした。

トランプ米大統領とルビオ国務長官は18日、ロシアとウクライナの和平合意が成立する明確な兆候が早期になければ、仲介から撤退する意向を示した。

プーチン大統領は19日の会議で、ロシアは紛争の平和的解決に向けた米国、中国、BRICS諸国の努力を歓迎すると述べた。

<「戦闘は続いている」>

ゼレンスキー大統領は、ロシアの一時停戦宣言を「プーチン大統領による人命をもてあそぶ、もう一つの試み」と指摘。停戦発効予定の45分前時点で、ウクライナ機がロシアの空爆に対処しているとXに投稿した。

ウクライナ軍のシルスキー総司令官の報告を基に、ロシアの攻撃作戦は「いくつかの前線地域で続いており、ロシアの砲撃は収まっていない」と説明。「そのため、モスクワからの言葉は信用できない」とした。

その後も、プーチン大統領の停戦はウクライナ軍が攻撃しているロシアのクルスク州とベルゴロド州には適用されないと投稿。証拠を示さずに「戦闘は続いており、ロシアの攻撃が続いている」と記した。

前線沿いのいくつかの地域ではロシアの砲撃音が聞こえ、ロシアのドローン(無人機)が使われているという。

ゼレンスキー氏は、ロシアが「完全かつ無条件の沈黙(停戦)」に本当に合意すれば、ウクライナはそれに応じて行動すると表明。「完全な停戦が真に実現するなら、ウクライナは復活祭の日を越えて停戦を延長することを提案する」と書いている。

ロイターは前線の戦況を独自に確認することができなかった。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ロシア、ウクライナのエネルギー施設に集中攻撃 全国

ビジネス

ECB、3会合連続で金利据え置き 今後の道筋示さず

ビジネス

米メタ、250億ドルの社債発行へ 最長40年債も=

ビジネス

エヌビディアCEO、サムスン・現代自会長と会談 A
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面に ロシア軍が8倍の主力部隊を投入
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 6
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 7
    海に響き渡る轟音...「5000頭のアレ」が一斉に大移動…
  • 8
    【クイズ】12名が死亡...世界で「最も死者数が多い」…
  • 9
    必要な証拠の95%を確保していたのに...中国のスパイ…
  • 10
    【クイズ】開館が近づく「大エジプト博物館」...総工…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」にSNS震撼、誰もが恐れる「その正体」とは?
  • 4
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 9
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 10
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 8
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 9
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中