ニュース速報
ワールド

中国船への入港料徴収案は米海運業界脅かす、幹部らが訴え

2025年03月25日(火)10時30分

 3月24日、 米海運業界の幹部らはトランプ大統領の国内造船業活性化計画について、中国に関連する船舶への料金徴収案に依存していることから米国の船舶運航会社、港湾、輸出業者、雇用に打撃を与え、裏目に出る可能性が高いという見解を示した。オークランド港で6日撮影(2025年 ロイター/Carlos Barria)

Lisa Baertlein David Lawder

[ロサンゼルス/ワシントン 24日 ロイター] - 米海運業界の幹部らは24日、トランプ大統領の国内造船業活性化計画について、中国に関連する船舶への料金徴収案に依存していることから米国の船舶運航会社、港湾、輸出業者、雇用に打撃を与え、裏目に出る可能性が高いという見解を示した。米通商代表部(USTR)の公聴会で述べた。

幹部らが問題視しているのは、米国の港に入港する中国製船舶に対して入港料を徴収する案で、1回の入港につき300万ドルを超える可能性がある。トランプ政権はこの案が公海における中国の商業的・軍事的影響力の拡大を抑制し、船舶の国内生産を促進するとしている。

米国の鉄鋼労働組合や鉄鋼メーカー、民主党議員らは国内産業を活性化させるとして支持している。

しかし、この案はトランプ氏が再建を望む米造船所への発注需要をけん引するであろう海運会社や顧客の存続を脅かすことから国内の海運業界に衝撃を与えている。

フロリダ州を拠点とする米国最大の国際海上貨物輸送会社シーボード・マリーンのエドワード・ゴンザレス最高経営責任者(CEO)は「米国の造船業を強化する取り組みが、意図せずして米国資本の輸送会社を破壊するのであれば、国益にはかなわない」と証言した。

同社は他の多くの米海運会社と同様に中国製船舶に依存している。

業界幹部らは、中国関連の船舶への料金徴収により、変化にうまく対応できる資源を持つ外資系海運会社に米国の貨物が流れることになるとも指摘した。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

インフレ上振れにECBは留意を、金利変更は不要=ス

ワールド

中国、米安保戦略に反発 台湾問題「レッドライン」と

ビジネス

インドネシア、輸出代金の外貨保有規則を改定へ

ワールド

野村、今週の米利下げ予想 依然微妙
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 2
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 5
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 6
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 7
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 8
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 9
    『ブレイキング・バッド』のスピンオフ映画『エルカ…
  • 10
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 4
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 7
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 8
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 9
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 10
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中