ニュース速報
ワールド

トルコの政治混乱、経済改革の後退招くリスク S&Pが警告

2025年03月25日(火)02時16分

格付け会社S&Pグローバルは24日、トルコのエルドアン大統領の政敵拘束によって引き起こされた混乱が、同国の経済改革計画への逆風になる恐れがあると警鐘を鳴らした。2023年7月、イスタンブールで撮影(2025年 ロイター/Dilara Senkaya)

[ロンドン 24日 ロイター] - 格付け会社S&Pグローバルは24日、トルコのエルドアン大統領の政敵拘束によって引き起こされた混乱が、同国の経済改革計画への逆風になる恐れがあると警鐘を鳴らした。

S&Pは「トルコ経済に対する信頼や為替相場の安定にリスクをもたらす可能性がある」と指摘。不確実性の高まりによる家計支出や資本流入、経済成長、インフレへの「二次的影響」も「重大」となる恐れがあるという認識を示した。

トルコ裁判所は24日、エルドアン大統領の最大の政敵で、汚職やテロ組織への資金提供などの容疑で先週拘束されたイマモール・イスタンブール市長について、正式な裁判開始前に刑務所へ収監することを決定した。各地で抗議デモが激化する中、これまでに1133人が拘束されたという。金融市場では通貨リラや株価が急落するなど混乱が深まっている。

また、トルコ国債の保証コストは上昇し、信用格付け引き下げの可能性も織り込まれた。ただ、短期的に格下げのリスクは低いとみられる。

S&Pとフィッチはともにトルコの格付けを「BBー」、格付け見通しを「安定的」としている。ムーディーズは、1段階低い「B1」、見通しを「ポジティブ」としている。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ウクライナ巡る米との交渉、ゆっくり着実に進展=ロシ

ビジネス

小売販売額11月は前年比1.0%増、休日増と食品値

ワールド

再送公債依存度24.2%に低下、責任財政に「腐心」

ワールド

米国のベネズエラ封鎖は「海賊行為」、ロシアが批判
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 4
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 5
    「時代劇を頼む」と言われた...岡田准一が語る、侍た…
  • 6
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 7
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 8
    ノルウェーの海岸で金属探知機が掘り当てた、1200年…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 5
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 6
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 7
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 10
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 6
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 7
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 8
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中