ニュース速報
ワールド

中国ディープシーク、国内企業が相次ぎサポート 国産AIの転機に

2025年02月05日(水)16時57分

 中国の新興企業ディープシークが開発したAI(人工知能)モデルをサポートする国内の半導体メーカーやクラウドサービス事業者が相次いでいる。写真は、ディープシークのロゴと携帯電話。(2025年 ロイター/Florence Lo)

Brenda Goh Yuhan Lin

[上海 5日 ロイター] - 中国の新興企業ディープシークが開発したAI(人工知能)モデルをサポートする国内の半導体メーカーやクラウドサービス事業者が相次いでいる。アナリストは米国製ハードウエアへの依存を減らす「重要な転機」になると指摘している。

AI半導体を製造する摩爾線程(ムーア・スレッズ)と海光信息技術は3日、自社のコンピューティングクラスターとアクセラレーターでディープシークのAIモデルである「R1」と「V3」をサポートできるようになると表明。

ムーア・スレッズは対話アプリ「微信(ウィーチャット)」に「ディープシークに敬意を表する」と投稿。国産GPU(画像処理半導体)を使ったディープシークのAIモデルの進化が国内AI産業の起爆剤になる可能性があると指摘した。

華為技術(ファーウェイ)も1日、自社のクラウドサービスで顧客がディープシークのモデルを利用できるよう、AIインフラ新興企業、北京硅基流動科技(シリコンフロー)と提携すると発表した。性能は海外の高性能半導体で作動するモデルに匹敵するという。

バーンスタインのアナリストは2日、ファーウェイがディープシークのモデルを自社の半導体「アセンド」と統合したことについて「重要な転機」になると指摘。

「ディープシークは、競争力のある大規模言語モデル(LLM)を『十分な性能』がある国産半導体で展開できることを示した。米国の最先端ハードウエアへの依存を減らせることになる」とし、アセンドのほか、中科寒武紀科技(カンブリコン)や海光が計画している半導体を挙げた。

アリババ、百度(バイドゥ)、騰訊控股(テンセント)のクラウド部門も、ディープシークのモデルを利用できるサービスを導入したことを明らかにしている。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

日銀には、政府と密接に連携し賃金上昇伴う2%目標の

ワールド

IMF、中国に構造改革の加速要請 成長予測引き上げ

ワールド

仏中銀、成長率予想を小幅上方修正へ 政情不安でも経

ワールド

中国海警局、尖閣周辺で哨戒と発表 海保は領海からの
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【クイズ】アジアで唯一...「世界の観光都市ランキング」でトップ5に入ったのはどこ?
  • 3
    トランプの面目丸つぶれ...タイ・カンボジアで戦線拡大、そもそもの「停戦合意」の効果にも疑問符
  • 4
    中国の著名エコノミストが警告、過度の景気刺激が「…
  • 5
    死者は900人超、被災者は数百万人...アジア各地を襲…
  • 6
    「韓国のアマゾン」クーパン、国民の6割相当の大規模情…
  • 7
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的、と元イタリア…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 8
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 9
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中