ニュース速報
ワールド

米国務長官が最後の記者会見 ガザでの戦闘を巡り非難浴びる

2025年01月17日(金)07時49分

 1月16日、退任を控えたブリンケン米国務長官の最後の記者会見が首都ワシントンの国務省で開かれた。パリで9日、代表撮影(2025年 ロイター)

[ワシントン 16日 ロイター] - 退任を控えたブリンケン米国務長官の最後の記者会見が16日に首都ワシントンの国務省で開かれた。停戦で合意したパレスチナ自治区ガザでの戦闘に関し、米国によるイスラエル支援を率直に批判する数人のジャーナリストが大声で非難し、退場させられた。

米国の世界に対するアプローチを長年批判してきたフリージャーナリスト、サム・フセイニ氏は、オランダ・ハーグにある国際司法裁判所(ICJ)を念頭に「犯罪者め、なぜハーグにいないんだ」と叫んだ。ブリンケン氏を罵倒し続けたフセイニ氏は、警備員によって記者会見場から強引に引っ張り出された。

イスラエルの集計によると、イスラム組織ハマスはイスラエルを襲撃した2023年10月7日に1200人が死亡し、約250人が人質に取られた。地元の保健当局によると、その後のイスラエルによるガザへの攻撃で4万6000人を超えるパレスチナ人が死亡した。

米国の外交政策の多くを強く批判しているメディア「グレイゾーン」の編集者、マックス・ブルメンソル氏はブリンケン氏に対して「昨年5月に合意したのに、なぜ爆弾を投下し続けたのか」と批判し、退場させられた。

ガザでの戦闘が始まって以来、ブリンケン氏はワシントンで頻繁に罵声を浴びせられてきた。ワシントン近郊のバージニア州の自宅前には数カ月間にわたってデモ隊が陣取り、ブリンケン氏と家族を乗せた車へ血に見立てた赤いペンキを何度も投げ付けた。

イスラエルとの合意に関して何か変更することがあるかどうかを尋ねられたブリンケン氏は、イスラエル政府は「(23年)10月7日の出来事の後、イスラエル人の圧倒的多数に基本的に支持された」政策を実行してきたとし、それを米国の対応に織り込む必要があったと訴えた。

また、ハマスが民間人の中に紛れ込んでいるため、バイデン政権は国際法違反となりうる個々の事件について最終的な判断を下すことができなかったと弁明。その上で「イスラエルでは何百件もの事件が調査されている」とし、「彼らにはプロセスがあり、法の支配がある(中略)それこそが民主主義の特徴だ」と語った。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

アングル:解体される「ほぼ新品」の航空機、エンジン

ワールド

アングル:汎用半導体、供給不足で価格高騰 AI向け

ワールド

米中間選挙、生活費対策を最も重視が4割 ロイター/

ワールド

ロシア凍結資産、ウクライナ支援に早急に利用=有志連
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...装いの「ある点」めぐってネット騒然
  • 2
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した国は?
  • 3
    「宇宙人の乗り物」が太陽系内に...? Xデーは10月29日、ハーバード大教授「休暇はXデーの前に」
  • 4
    為替は先が読みにくい?「ドル以外」に目を向けると…
  • 5
    ハーバードで白熱する楽天の社内公用語英語化をめぐ…
  • 6
    「ママ、ママ...」泣き叫ぶ子供たち、ウクライナの幼…
  • 7
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 8
    シンガポール、南シナ海の防衛強化へ自国建造の多任…
  • 9
    【ムカつく、落ち込む】感情に振り回されず、気楽に…
  • 10
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 3
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 4
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 5
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 6
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 7
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 8
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 9
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 10
    「ママ、ママ...」泣き叫ぶ子供たち、ウクライナの幼…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 4
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中