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欧州議会、気候変動対策責任者人事を延期

欧州連合(EU)欧州議会の環境委員会は2日、気候変動政策の次期責任者として中道右派のフクストラ元オランダ外相(写真)を承認するかどうかの決定を延期し、3日に行うこととした。ハーグで7月撮影(2023年 ロイター/Piroschka van de Wouw)
Kate Abnett
[ブリュッセル 2日 ロイター] - 欧州連合(EU)欧州議会の環境委員会は2日、気候変動政策の次期責任者として中道右派のフクストラ元オランダ外相を承認するかどうかの決定を延期し、3日に行うこととした。環境政策全般の統括ポスト候補となっている、社会民主系のシェフチョビッチ欧州委副委員長の公聴会を開いた後に決定する。
いずれの人事も、可決するには環境委員会の3分の2の支持が必要。複数のEU関係者によると、2人の人事を同時に決定するのは、対立する政治派閥がいずれも、自らの推薦候補が承認されない限りライバル候補は承認されないと安心できるようにするための方策だ。
フクストラ氏は2日の公聴会で所信を表明し、政治的反発があってもEUは2040年までに温室効果ガスの排出量をネットで少なくとも90%削減するという新目標を設定することを公約に掲げた。その上で、EUの40年の目標をどうすべきかについて、2024年初めに自ら分析を公表する方針も明らかにした。
11─12月に開かれる国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)にも言及し、化石燃料の世界的な段階的廃止の推進を約束した。さらに経済的に不安定な国々のため気候変動対策費の新たな資金調達ルートを探すとし、一つの可能性としてEUの炭素市場(カーボンマーケット)での収益の活用を挙げた。
また同氏は、EU加盟国が化石燃料への補助金として毎年支出している520億ユーロ(546億ドル)に関し、段階的廃止を公約に掲げ、EUの次期予算から実行に移したいとの考えを表明した。