ニュース速報

ワールド

インドネシアの石炭国際会議、中国の需要強く売買契約が続々成立

2023年09月27日(水)11時47分

 9月26日、インドネシアのバリ島で24─26日に開催された世界最大の石炭国際会議「コールトランス」では、火力発電用に大量の石炭を求める中国と、最大輸出国インドネシアとの間で石炭の売買契約が次々と成立した。写真は2017年5月の「コールトランス」。バリ島のヌサドゥアで撮影(2023年 ロイター/Fergus Jensen)

Sudarshan Varadhan

[ヌサドゥア(インドネシア 26日 ロイター] - インドネシアのバリ島で24─26日に開催された世界最大の石炭国際会議「コールトランス」では、火力発電用に大量の石炭を求める中国と、最大輸出国インドネシアとの間で石炭の売買契約が次々と成立した。

会議を協賛したコールシャストラによると、今年は中国からの参加者が過去最多だった。中国と取引を結ぼうとするインドネシアの商社や鉱山企業の代表らが群れを成して会議に出席した。

インドネシアの石炭企業オムビリン・エネルジのラムリ・アーマド社長は「今回のコールトランスでは既に多くの取引が成立している。『うちは契約を結べるだろうか』という質問が寄せられているからだ」と語った。

調査会社ノーブル・リサーチが会議に提出した資料によると、中国の石炭輸入は今年、前年比1億トン増えて過去最大の3億2900万トンに達し、来年はさらに4900万トン増える見通しだ。

中国は昨今、不動産市場が低迷し経済成長が鈍いが、異常気象や他業界の経済活動によって電力および石炭の需要は増えている。

ロイターが取材した中国の業者6社は、気象の悪化により今年10─12月期に石炭輸入が増えると予想。うち5社は、来年は今年より輸入が増えるが、ノーブルの予想よりは少なくなるとの見方を示した。1社は、来年の方が今年より輸入が減ると予想した。

世界最大の石炭消費・輸入国である中国の需要が底堅く推移すれば、気候変動目標の下で予想されている世界の石炭利用のピークが後ずれしかねない、と業者らは語った。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

三菱電、25年度のパワー半導体売上高目標を2600

ビジネス

韓国サムスン電子労組、来週初のスト実施を警告 賃上

ビジネス

消費者態度指数5月は2.1ポイント低下、判断「足踏

ビジネス

IMF、24・25年中国GDP予想を上方修正 堅調
MAGAZINE
特集:イラン大統領墜落死の衝撃
特集:イラン大統領墜落死の衝撃
2024年6月 4日号(5/28発売)

強硬派・ライシ大統領の突然の死はイスラム神権政治と中東の戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    中国海軍「ドローン専用空母」が革命的すぎる...ゲームチェンジャーに?

  • 2

    メキシコに巨大な「緑の渦」が出現、その正体は?

  • 3

    自爆ドローンが、ロシア兵に「突撃」する瞬間映像をウクライナが公開...シャベルで応戦するも避けきれず

  • 4

    ハイマースに次ぐウクライナ軍の強い味方、長射程で…

  • 5

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 6

    プーチンの天然ガス戦略が裏目で売り先が枯渇! 欧…

  • 7

    汎用AIが特化型モデルを不要に=サム・アルトマン氏…

  • 8

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発…

  • 9

    「なぜ彼と結婚したか分かるでしょ?」...メーガン妃…

  • 10

    「天国に一番近い島」で起きた暴動、フランスがニュ…

  • 1

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発」で吹き飛ばされる...ウクライナが動画を公開

  • 2

    自爆ドローンが、ロシア兵に「突撃」する瞬間映像をウクライナが公開...シャベルで応戦するも避けきれず

  • 3

    「なぜ彼と結婚したか分かるでしょ?」...メーガン妃がのろけた「結婚の決め手」とは

  • 4

    ウクライナ悲願のF16がロシアの最新鋭機Su57と対決す…

  • 5

    中国海軍「ドローン専用空母」が革命的すぎる...ゲー…

  • 6

    黒海沿岸、ロシアの大規模製油所から「火柱と黒煙」.…

  • 7

    戦うウクライナという盾がなくなれば第三次大戦は目…

  • 8

    能登群発地震、発生トリガーは大雪? 米MITが解析結…

  • 9

    「天国にいちばん近い島」の暗黒史──なぜニューカレ…

  • 10

    少子化が深刻化しているのは、もしかしてこれも理由?

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 3

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 4

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 5

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 6

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 7

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 8

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発…

  • 9

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中