ニュース速報

ワールド

韓国、トラック運転手の職場復帰命令拡大 鉄鋼・石油化学業界に

2022年12月08日(木)13時19分

韓国政府は8日、トラック運転手のストライキが長期化する中、職場復帰命令を鉄鋼・石油化学業界に拡大させた。韓悳洙首相が閣僚会議の冒頭で指示した。写真は11月30日、ウィワン市で撮影(2022年 ロイター/ Heo Ran)

[ソウル 8日 ロイター] - 韓国政府は8日、トラック運転手のストライキが長期化する中、職場復帰命令を鉄鋼・石油化学業界に拡大させた。韓悳洙首相が閣僚会議の冒頭で指示した。

政府は先週、セメント業界のドライバー2500人に対し、韓国史上初の「業務開始」命令を発動した。

運転手らは最低賃金プログラムの恒久化と拡大を要求している。政府は今のところ拒否しているが、現行3年となっている期間の延長は可能だとしている。

メディアの報道によると、最大野党「共に民主党」は、政府の延長案を支持することを決定したという。

韓首相は「政府は揺るがない。不当な組織的行為の悪循環を絶対に断ち切らなければならない」と強調した。

労働組合幹部によると、今後の交渉は予定されていない。

半年足らずで2回目となるトラック運転手のストは自動車や燃料など製品の供給を妨げ、損失額は最初の12日間で3兆5000億ウォン(26億6000万ドル)相当に上ったと政府は発表している。

政府のデータによると、タンクローリー2000台の約3分の1がストに参加しており、7日午後の時点でソウル首都圏を中心に全国78のガソリンスタンドが燃料不足に陥っている。

国土交通省によると、鉄鋼出荷量は通常の48%、石油化学製品の出荷量は約20%に減少。これらの混乱が自動車や船舶の生産に打撃を与えるとの懸念が高まっている。

石油化学会社は、原材料不足などから早ければ今週末にも減産することを検討している。

業務開始命令に従わない場合、免許の取り消しや3年の刑期、3000万ウォン(2万2550ドル)以下の罰金といった処罰を受ける。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ローマ教皇レオ14世、初のクリスマス説教 ガザの惨

ワールド

中国、米が中印関係改善を妨害と非難

ワールド

中国、TikTok売却でバランスの取れた解決策望む

ビジネス

SOMPO、農業総合研究所にTOB 1株767円で
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 2
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足度100%の作品も、アジア作品が大躍進
  • 3
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...どこでも魚を養殖できる岡山理科大学の好適環境水
  • 4
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 5
    ジョンベネ・ラムジー殺害事件に新展開 父「これま…
  • 6
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 7
    ノルウェーの海岸で金属探知機が掘り当てた、1200年…
  • 8
    「時代劇を頼む」と言われた...岡田准一が語る、侍た…
  • 9
    ゴキブリが大量発生、カニやロブスターが減少...観測…
  • 10
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 1
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 5
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 10
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 8
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中