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アフガン、貧困や食料難など問題山積 タリバン全権掌握から1年
イスラム主義組織タリバンがアフガニスタンの首都カブールを制圧し、全権を掌握してから15日で1年を迎えた。一部では治安の改善が歓迎されているが、貧困、干ばつ、食料不足に加え、国の将来に重要な役割を果たすべき女性の権利を巡る問題など、タリバン支配下のアフガニスタンは多くの困難に直面している。(2022年 ロイター/Ali Khara)
[カブール 15日 ロイター] - イスラム主義組織タリバンがアフガニスタンの首都カブールを制圧し、全権を掌握してから15日で1年を迎えた。一部では治安の改善が歓迎されているが、貧困、干ばつ、食料不足に加え、国の将来に重要な役割を果たすべき女性の権利を巡る問題など、タリバン支配下のアフガニスタンは多くの困難に直面している。
カブールでは1周年を祝うために数人の男が空に向けて発砲。米国大使館前の広場にはタリバン支持者や兵士ら数百人が集まり、「米国に死を」などと書かれた横断幕を掲げ、この日を祝った。
タリバン暫定政権の閣僚が出席した式典でアミール・カーン・ムタキ外相代行は、米国が失敗した治安の回復にタリバンは成功したと表明。タリバンは世界各国と前向きな関係を築くことを望んでいるとし、「全ての国と良好な関係を築くことを望んでいる。アフガニスタンの領土は何者にも利用されることはない」と述べた。
タリバン政権は凍結された90億ドルのアフガニスタン中央銀行の海外資産の返還を要求しているが、米国との協議は難航。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は、このうち米国内にある約70億ドルの資産について、バイデン政権は凍結を解除しないと決定したと報じている。
アフガニスタンでは、人口の半分以上にあたる約2500万人が貧困状態にあり、国連の推計によると経済の停滞により年内に最大90万人の雇用が失われる可能性がある。中銀資産の凍結解除に向けた歩み寄りがなければ、物価の高騰、失業率の上昇、食料不足などの解決は困難になると懸念されている。