ニュース速報

ワールド

中国「台湾巡る共謀に対応」、軍用機の台湾防空識別圏侵入で

2021年06月16日(水)15時16分

 6月16日、中国政府は、台湾問題を巡る外国の介入を容認せず、「共謀行為」には強硬に対応する必要があると表明した。(2021年 ロイター/Dado Ruvic)

[北京/台北 16日 ロイター] - 中国政府は16日、台湾問題を巡る外国の介入を容認せず、「共謀行為」には強硬に対応する必要があると表明した。

台湾国防部(国防省)は前日、中国の戦闘機や爆撃機など28機が台湾の防空識別圏に侵入したと発表していた。

週末の主要7カ国首脳会議(G7サミット)の共同声明が中国を強く非難し、台湾海峡の平和と安定を強調したのに対し、中国は「中傷だ」と反論。これが中国軍機の侵入の背景にあるとみられる。

中国国務院台湾事務弁公室の馬暁光報道官は16日の記者会見で、中国軍機の行動がG7の声明に関連したものかと問われると、対立の責任は台湾にあると発言。「われわれは台湾を巡る独立運動も外国勢力による介入も決して容認しない。そのため、こうした共謀行為には強硬に対応する必要がある」とした。

中国は台湾が外国と協力して正式な独立を目指していると警戒している。

台湾はここ数カ月、中国空軍機による防空識別圏への侵入をたびたび報告していたが、大半は南西沖の東沙諸島付近で起きていた。ただ今回は、東沙諸島付近だけでなく、本島南端付近を複数の爆撃機や戦闘機が飛行したという。

中国軍機が台湾の防空識別圏に侵入した15日には、米海軍の原子力空母ロナルド・レーガン率いる米空母打撃群が南シナ海に入ったと発表していた。

米海軍の報道官は、中国機が米軍の艦艇に近づいてきたかとの質問に「空母打撃群はどの中国軍機とも接触していない」と回答した。

一方で、中国軍機の侵入は米軍をけん制する意図があったとの見方もある。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

南ア、白人を人種差別と主張する米政権の圧力に屈せず

ワールド

台湾行政院長、高市氏に謝意 発言に「心動かされた」

ワールド

ロイターネクスト:シリア経済、難民帰還で世銀予測上

ワールド

アングル:日銀利上げ容認へ傾いた政権、背景に高市首
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 2
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させられる「イスラエルの良心」と「世界で最も倫理的な軍隊」への憂い
  • 3
    高市首相「台湾有事」発言の重大さを分かってほしい
  • 4
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国…
  • 5
    「ボタン閉めろ...」元モデルの「密着レギンス×前開…
  • 6
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 7
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 8
    「ロシアは欧州との戦いに備えている」――プーチン発…
  • 9
    見えないと思った? ウィリアム皇太子夫妻、「車内の…
  • 10
    【トランプ和平案】プーチンに「免罪符」、ウクライ…
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 4
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 5
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 6
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 7
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 8
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 9
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国…
  • 10
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中