ニュース速報

ワールド

第4四半期のフィリピンGDP、前年比-8.3% 予想やや上回る

2021年01月28日(木)16時17分

 1月28日、フィリピン統計局が発表した第4・四半期国内総生産(GDP)は前年同期比8.3%減と、ロイターがまとめた市場予想(8.5%減)よりもやや小幅の落ち込みにとどまった。写真はマニラで2017年1月撮影(2021年 ロイター/Romeo Ranoco)

[マニラ 28日 ロイター] - フィリピン統計局が28日発表した第4・四半期国内総生産(GDP)は前年同期比8.3%減と、ロイターがまとめた市場予想(8.5%減)よりもやや小幅の落ち込みにとどまった。

政府支出が前年同期比で4.4%増加したことが寄与した。政府によると、新型コロナウイルス流行に伴う移動制限で、家計支出は1日当たり22億ペソ(4572万ドル)減少した。

第3・四半期は11.4%減に改定された。

2020年通年では9.5%のマイナス成長。1946年の統計開始以来、最大の落ち込みを示したほか、政府見通しマイナス8.5─9.5%の下限となった。

新型コロナウイルスの感染拡大により、同国経済は2020年第2・四半期に約30年ぶりのリセッション(景気後退)に陥った。

カール・チュア国家経済開発長官は「個人消費は依然として弱い。政府は公共交通機関の再開など供給側の制約を緩和したが、需要側の制約が個人消費の力強い回復を妨げている」と指摘した。

同長官は2021年の見通しについて「勇気づけられる」とし、6.5%─7.5%との政府見通しを再度示した。

第4・四半期のGDPは前期比(季節調整済み)では5.6%増。第3・四半期の8%増から鈍化した。

景気の回復は政府のワクチン配布計画に左右されるとみられる。政府は年内に、最大で人口の3分の2に当たる7000万人にワクチンを投与する計画。

フィリピン中銀は昨年、200ベーシスポイント(bp)の利下げを実施。現在の緩和的な金融政策スタンスで景気の回復を促せるとみている。

INGのシニアエコノミスト、ニコラス・マパ氏は「政策金利は2.0%でインフレ率も目標の2-4%の上限に向けて上昇基調にある。中銀は弾切れになる公算が大きい」と指摘。

2021年度予算は4兆5000億ペソ規模と、前年比で10%増額されたが、「目立った変化をもたらすには不十分だろう」との見方を示した。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

「戦争の恐怖」から方向転換を、初外遊のローマ教皇が

ワールド

米ブラジル首脳が電話会談、貿易や犯罪組織対策など協

ワールド

米議員、トランプ政権のベネズエラ船攻撃巡り新たな決

ワールド

トランプ氏、バイデン氏の「自動署名文書」を全面無効
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大気質指数200超え!テヘランのスモッグは「殺人レベル」、最悪の環境危機の原因とは?
  • 2
    トランプ支持率がさらに低迷、保守地盤でも民主党が猛追
  • 3
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇気」
  • 4
    若者から中高年まで ── 韓国を襲う「自殺の連鎖」が止…
  • 5
    コンセントが足りない!...パナソニックが「四隅配置…
  • 6
    海底ケーブルを守れ──NATOが導入する新型水中ドロー…
  • 7
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 8
    「世界一幸せな国」フィンランドの今...ノキアの携帯…
  • 9
    22歳女教師、13歳の生徒に「わいせつコンテンツ」送…
  • 10
    もう無茶苦茶...トランプ政権下で行われた「シャーロ…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 4
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 5
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 8
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中