ニュース速報

ワールド

米下院議長と財務長官、協議再開に前向き 年末までの支援措置検討も

2020年08月10日(月)11時04分

 米野党・民主党のペロシ下院議長(写真)とムニューシン財務長官は9日、政権と民主党指導部による追加の新型コロナウイルス経済対策を巡る協議の再開に前向きな姿勢を示し、一部の支援を年末まで延長する限定的な措置で合意する可能性に道を開いた。ワシントンの議会で7日撮影(2020年 ロイター/Jonathan Ernst)

[ワシントン/モリスタウン(米ニュージャージー州) 9日 ロイター] - 米野党・民主党のペロシ下院議長とムニューシン財務長官は9日、政権と民主党指導部による追加の新型コロナウイルス経済対策を巡る協議の再開に前向きな姿勢を示し、一部の支援を年末まで延長する限定的な措置で合意する可能性に道を開いた。

追加対策を巡る与野党協議は数週間にわたって行われてきたが、7日に決裂。トランプ大統領は8日、7月末に失効した失業保険給付の上乗せなどの措置を復活させる大統領令に署名した。

民主党は、支援の規模が十分でないと主張しているほか、連邦政府の支出は議会に権限があるため、大統領令の合法性に疑念が生じている。

ただ、ペロシ議長とムニューシン長官は9日、一部の支援を年末まで延長した上で、11月の大統領選後となる来年1月にさらなる支援の必要性を再度検討することに前向きな姿勢をうかがわせた。

ムニューシン長官はFOXニュースのインタビューで「われわれが合意している内容に関する法案を通過させようではないか。一度に全てをまとめる必要はない。米国民のためにいま対策をまとめ、その後に追加の法案を検討するべきだ」と語った。

ペロシ氏はトランプ氏の大統領令について、違憲であり、米国民の迅速かつ直接的な支援につながらない「幻想」だと批判した。ただ、「FOXニュース・サンデー」に対し、議会民主党とホワイトハウスの合意は不可欠だと指摘。「われわれは今、合意する必要がある」とし、民主党は支援の規模をトランプ政権の案に近付けるため、提供期間を短縮することが可能だと述べた。

ペロシ氏は「対策の期間について協議し、来年9月末よりも前に短縮することは可能だ。いずれにしても来年には全てを再検討することになるだろう」と語った。

ムニューシン長官はこの案の検討に前向きとみられ、FOXで「彼らが新たな案を示せば、いつでも聞く用意がある」と述べた。

トランプ大統領も、ニュージャージー州で記者団に対し、ホワイトハウスは「時間の無駄にならなければ」、民主党と再び協議する用意があると語った。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

スイス中銀、第1四半期の利益が過去最高 フラン安や

ビジネス

仏エルメス、第1四半期は17%増収 中国好調

ワールド

ロシア凍結資産の利息でウクライナ支援、米提案をG7

ビジネス

北京モーターショー開幕、NEV一色 国内設計のAD
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    マイナス金利の解除でも、円安が止まらない「当然」…

  • 6

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 7

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 10

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中