ニュース速報

ワールド

インドネシア、第1四半期は2001年以来の低成長 景気後退入り観測

2020年05月05日(火)18時24分

 5月5日、インドネシア統計局が発表した第1・四半期の国内総生産(GDP)は前年比2.97%増と、市場予想を下回り、2001年第1・四半期以来の低成長となった。ジャカルタで撮影(2020年 ロイター/Ajeng Dinar)

[ジャカルタ 5日 ロイター] - インドネシア統計局が発表した第1・四半期の国内総生産(GDP)は前年比2.97%増と、市場予想を下回り、2001年第1・四半期以来の低成長となった。

新型コロナウイルスの感染拡大で、経済のけん引役である消費のほか、投資、観光、資源輸出などが影響を受けた。

市場予想は4.04%増、2019年第4・四半期は4.97%増だった。

キャピタル・エコノミクスのアジア担当シニアエコノミスト、ギャレス・レザー氏は、インドネシアでは経済の一部封鎖が他国より遅れて実施されたため、第1・四半期GDPへの影響は比較的軽微だったと指摘した。その上で、封鎖措置はしばらく継続する必要があるとし、第2・四半期は大幅なマイナス成長になると予想した。

インドネシアでは3月上旬に最初の感染者が確認され、同月内に学校やオフィスの閉鎖を開始した。累計の感染者数は1万1587人、死者は864人となっている。

バンク・オブ・アメリカのエコノミスト、モハメド・ファイズ・ナグタ氏は、インドネシア経済は第2・四半期までにアジア金融危機以来となるテクニカルなリセッションに陥る可能性があると指摘。第1・四半期は季節調整済みの前期比でマイナス、第2・四半期は前期比5%近いマイナスと予想する。

バンク・ペルマタのエコノミスト、ジョスア・パルデテ氏は、インドネシア政府が部分的な封鎖措置を延長し、景気対策に即効性がなければ、第3・四半期までにリセッション入りするとみている。

スリ・ムルヤニ・インドラワティ財務相は1日、今年の成長率がマイナス0.4%になる可能性があると指摘したうえで、そうした事態の回避に当局は取り組んでいると述べている。[nL4N2BP2PB]

<追加利下げ観測>

第1・四半期はGDPの半分以上を占める家計消費の伸びが2.84%にとどまった。ここ数四半期は5%前後で推移していた。

投資や輸出の伸びもそれぞれ1.7%と0.24%に鈍化した。

エコノミストは、GDP統計を受け、さらなる利下げが必要と指摘。

スタンダード・チャータードとバンク・ダナモンは、年内あと50ベーシスポイント(bp)の利下げを予想する。

インドネシア中央銀行は、2019年以降、6回利下げし、金融システムに流動性を供給してきた。政府は医療や福祉、景気刺激に財政出動し、財政赤字は過去10年余りで最大に膨らんでいる。

アイルランガ・ハルタルト経済調整相は、2020年の成長率目標の2.3%は維持していると述べる一方で「新型コロナ感染防止策として大規模な制限措置を政府が決定しており、特に第2・四半期は需要サイドのショックがある」とオンライン会見で述べた。

同相によると、政府の新型コロナ対策タスクフォースは、より厳格な防疫ガイドラインのもとで工場の稼働を認める「出口戦略」を準備している。

*エコノミストコメントなどを追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米原油先物、5%上昇 中東緊張で供給制約

ビジネス

米当局がバーゼル3最終化の資本規制案近く公表へ、銀

ビジネス

米アマゾン、370億ドルの社債発行を計画 AI投資

ワールド

EIA、ブレント原油「今後2カ月95ドル超」 年末
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開された皇太子夫妻の写真が話題に
  • 4
    「一日中見てられる...」元プロゴルファー女性の「目…
  • 5
    40年以上ぶり...イスラエル戦闘機「F-35I」が、イラ…
  • 6
    人間ダンサーを連れて「圧巻のパフォーマンス」...こ…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    ホルムズ海峡封鎖、石油危機より怖い「肥料ショック」
  • 9
    身長や外見も審査され、軍隊並みの訓練を受ける...中…
  • 10
    トランプも無視できない? イランで浮上した「危機管…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで続くのか
  • 4
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 6
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 7
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 8
    日本の保護者は自分と同じ「大卒」の教員に敬意を示…
  • 9
    中国はイランを見捨てた? イランの「同盟国」だっ…
  • 10
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中