ニュース速報

ワールド

米大、新型コロナワクチンの効果確認 数カ月で臨床試験

2020年04月03日(金)03時57分

米ピッツバーグ大学医学部の研究者は、開発中の新型コロナウイルスワクチンについて、感染予防に役に立つ水準で免疫力を高める効果があることをマウスを使った動物実験で確認したと発表した。UPMC提供。3月撮影(2020年 ロイター)

[ロンドン 2日 ロイター] - 世界中に感染が拡大している新型コロナウイルス「SARS─CoV2」に対するワクチンの開発が急ピッチで進められる中、米ピッツバーグ大学医学部の研究者は、開発中のワクチンに感染予防に役に立つ水準で免疫力を高める効果があることをマウスを使った動物実験で確認したと発表した。

ピッツバーグ大の研究者が利用したのは、指の先ほどの大きさのマイクロニードルパッチを応用した「貼るワクチン」。向こう数カ月で臨床試験を開始したいとしている。

オンライン版医学誌の「イーバイオメディシン(EBioMedicine)」に掲載された論文によると、ピッツバーグ大の研究者は、SARS(重症急性呼吸器症候群)やMERS(中東呼吸器症候群)といった、別のコロナウイルスで引き起こされる感染症の研究実績があったことで、今回の新型コロナウイルスのワクチン開発に迅速に着手できたと説明。

「これらの2種類のコロナウイルスは、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)を引き起こすSARS─CoV2の近縁種であるため、(コロナウイルスに特有の)スパイク・タンパク質が免疫反応に重要であることが分かった。このため、SARS─CoV2にどこから対応していくべきか把握できた」とした。

研究者は開発中のワクチンを「PittCoVacc」と命名。マウスを使った動物実験で、投与後2週間でSARS─CoV2に対する「抗体の急増」が確認できたとした。

現時点では実験に使ったマウスを長期的に観察していないため、効果がどの程度継続するかは確かめられていないとしながらも、MERSに対する実験的なワクチンを使った比較可能な実験で、ウイルスを中和化するに十分な抗体の水準が少なくとも1年間維持されたことが確認されたとしている。

米ジョンズ・ホプキンズ大学の集計によると、2日時点で新型ウイルス感染による死者数は世界全体で5万人を上回った。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

消費税率引き下げることは適当でない=加藤財務相

ワールド

クックFRB理事の解任認めず、米控訴裁が地裁判断支

ワールド

小泉農相、自民総裁選出馬意向を地元に伝達 加藤財務

ビジネス

日銀には政府と連携し、物価目標達成へ適切な政策期待
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェイン・ジョンソンの、あまりの「激やせぶり」にネット騒然
  • 3
    腹斜筋が「発火する」自重トレーニングとは?...硬く締まった体幹は「横」で決まる【レッグレイズ編】
  • 4
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 5
    ケージを掃除中の飼い主にジャーマンシェパードがま…
  • 6
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 7
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 8
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 9
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 10
    「この歩き方はおかしい?」幼い娘の様子に違和感...…
  • 1
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 2
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 5
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 6
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 7
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 10
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中