ニュース速報

ワールド

ロシアとサウジ、原油市場安定へ協力示唆 「誰も得せず」

2020年04月03日(金)01時54分

 4月2日、サウジアラビア政府の見解に詳しい湾岸国の高官は、サウジは原油市場の安定を目的とした産油国間の協力を支持していると述べた。写真はテキサス州ラヴィング郡で昨年11月撮影(2020年 ロイター/Angus Mordant)

[ドバイ/モスクワ 2日 ロイター] - ロシアとサウジアラビアは2日、急激に値下がりする原油市場の安定に向け、協力する用意を示唆した。

ロシアのノバク・エネルギー相はロイターに対し、原油市場はすでに供給過多の状態にあるため、ロシアとして増産する計画は全くないと明言。また地元のラジオ局には、現在の原油価格では誰も得をしないと語った。

また、サウジとの協議再開について「可能性を排除しない」とし、協議への復帰もあり得るという考えを示唆した。

石油輸出国機構(OPEC)にロシアなど非加盟産油国を加えた「OPECプラス」の協調減産体制が崩壊した先月上旬以降、北海ブレント原油先物は1バレル=26ドルと約半値に下落している。

こうした中、サウジ政府の見解に詳しい湾岸国の高官は2日、サウジは原油市場の安定を目的とした産油国間の協力を支持していると表明した。同時にロシアが3月に協調減産の拡大に反対したことが市場の動揺を引き起こしたと主張した。

この関係筋はロイターに対し、「サウジは現在の危機局面で公平性の原則に基づき原油市場に安定をもたらすための取り組みにおいて、常に産油国間の協力を歓迎し、支持してきた」と述べた。

一方で、協調減産体制の崩壊については、ロシアが3月初めの会合で減産拡大案に反対したことが原因だとし、その結果、原油市場は著しく不安定になったと指摘した。

減産拡大に対するロシアの反対を受け、サウジは輸出価格を引き下げ、産油量を最大限に増やすと表明した。

関係筋は、このため産油国は自主的な減産をやめる以外に選択肢がなくなったと述べた。

*不要な文字を削除しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米メタ、メタバース事業の予算を最大30%削減との報

ワールド

トランプ氏、USMCA離脱を来年決定も─USTR代

ビジネス

米人員削減、11月は前月比53%減 新規採用は低迷

ビジネス

英中銀、プライベート市場のストレステスト開始 27
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 2
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させられる「イスラエルの良心」と「世界で最も倫理的な軍隊」への憂い
  • 3
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国」はどこ?
  • 4
    高市首相「台湾有事」発言の重大さを分かってほしい
  • 5
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 6
    「ロシアは欧州との戦いに備えている」――プーチン発…
  • 7
    見えないと思った? ウィリアム皇太子夫妻、「車内の…
  • 8
    【トランプ和平案】プーチンに「免罪符」、ウクライ…
  • 9
    【クイズ】日本で2番目に「ホタテの漁獲量」が多い県…
  • 10
    白血病細胞だけを狙い撃ち、殺傷力は2万倍...常識破…
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場の全貌を米企業が「宇宙から」明らかに
  • 4
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 5
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 6
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 7
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 8
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 9
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 10
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中