ニュース速報

ワールド

北朝鮮、非核化協議の窓口開かれている=ビーガン米特別代表

2019年11月21日(木)03時56分

韓国聨合ニュースによると、北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)第1外務次官は20日、北朝鮮の非核化を巡る協議を再開するには米国が敵対的な政策を改める必要があるとの考えを示した。ハノイで3月代表撮影(2019年 ロイター)

[ワシントン/ソウル 20日 ロイター] - 米国のビーガン北朝鮮担当特別代表は20日、北朝鮮の非核化協議について、交渉の窓口は今も開かれていると述べた。

ビーガン氏は国務省ナンバー2のポストに指名されており、この日は上院外交委員会で行われた指名承認の公聴会に出席。北朝鮮が核兵器を放棄する決定を下したことを示す確固たる証拠はないものの、北朝鮮はそれができると依然確信していると述べた。

ビーガン氏は国務省ナンバー2のポストへの昇格が承認されても北朝鮮担当特別代表の役割は維持する見通し。北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)第1外務次官がカウンターパートとなる。

ビーガン氏は昇格により、北朝鮮問題の優先度が格上げされ、交渉プロセスに有利に働くと指摘。「交渉の窓口はまだ開いている。北朝鮮はこうした機会を見逃すべきでない」と述べた。

また、トランプ米大統領は北朝鮮問題解決に向けた機会を作ったとも指摘。北朝鮮問題を解決する必要があるとの考えは韓国、日本、中国、ロシアも共有しているとし、「トランプ大統領は、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が前進に向けた決断をできるとの考えを変えていない」と述べた。

北朝鮮は10月にスウェーデンの首都ストックホルムで行われた非核化協議が決裂した後、年末を協議の期限に設定。米国に揺さぶりをかけている。

ビーガン氏はこの期限について、人為的なものとの見方を示しながらも、北朝鮮が「挑発的な」措置を取る状態に後戻りする恐れもあると指摘。こうしたことが起きれば「大きな誤りとなる」とし、「北朝鮮は機会を失うことになる」と述べた。

韓国聨合ニュースによると、北朝鮮の崔次官はこの日、北朝鮮の非核化を巡る協議を再開するには米国が敵対的な政策を改める必要があるという考えを示した。

崔次官は訪問先のロシアでラブロフ外相と会談。その後、記者団に対し、トランプ米大統領が北朝鮮に対する敵対的な政策を改めない限り、米朝首脳会談の実施は「不可能」と表明した。

次官は「米国がわが国に対するすべての敵対的政策を撤回すれば、われわれは再び協議することが可能だ。この意味で首脳会談の開催にあまり関心はない」と述べた。

米国に求める具体的な行動は何かという質問には「米国側が一番よく知っている。わが国を敵視するすべて措置を撤回し、その旨をわが国に通知せよ」とした。

トランプ大統領と金委員長はこれまでに3回会談を実施。今年2月に行われた2回目の会談が物別れに終わった後、3回目となった6月の会談で両首脳は協議継続で合意したものの、10月にストックホルムで行われた実務者レベルの非核化協議は決裂。これまでのところ、大きな成果は得られていない。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国、今後5年間で財政政策を強化=新華社

ワールド

インド・カシミール地方の警察署で爆発、9人死亡・2

ワールド

トランプ大統領、来週にもBBCを提訴 恣意的編集巡

ビジネス

訂正-カンザスシティー連銀総裁、12月FOMCでも
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前に、男性が取った「まさかの行動」にSNS爆笑
  • 4
    「不衛生すぎる」...「ありえない服装」でスタバ休憩…
  • 5
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 6
    『トイ・ストーリー4』は「無かったコト」に?...新…
  • 7
    ヒトの脳に似た構造を持つ「全身が脳」の海洋生物...…
  • 8
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 9
    文化の「魔改造」が得意な日本人は、外国人問題を乗…
  • 10
    「水爆弾」の恐怖...規模は「三峡ダムの3倍」、中国…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 7
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 8
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 9
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 10
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中