ニュース速報

ワールド

豪住宅市況の悪化、経済に予想以上の打撃=中銀副総裁

2019年10月17日(木)11時45分

 10月17日、オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA・写真)のデベル副総裁は、国内不動産市況の悪化が家計消費に打撃を与え、経済成長とインフレへの大きな足かせとなっていると指摘した。2017年2月にシドニーで撮影(2019年 ロイター/Steven Saphore)

[シドニー 17日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)のデベル副総裁は17日、国内不動産市況の悪化が家計消費に打撃を与え、経済成長とインフレへの大きな足かせとなっていると指摘した。今年3回実施した利下げにもかかわらず、こうした状況は少なくとも今後1年は続く見込みという。

ただ、ここ数カ月の住宅価格上昇や、安定的な人口増加、過去最低水準の金利を背景に、住宅建設は2021年までには回復するとの見通しを示した。

住宅建設は雇用全体の約2%、国内総生産(GDP)の6%を占める豪経済の主要セクターだ。

デベル副総裁は、シドニーでの講演で「建設活動の鈍化はまだかなり続く」と指摘。

「われわれは今後1年間に住宅投資がさらに7%落ち込むと予想している。減少幅は、これよりも大きくなるリスクが幾分ある」とし、住宅建設のピーク期から底を打つまでにGDPの伸びを約1%ポイント押し下げるとの見方を示した。

オーストラリアの住宅価格と建設活動は約2年前にピークを打ち、住宅着工許可件数は2017年終盤の水準を約40%下回っている。

住宅市況は消費にも影響を与えている。豪中銀の試算では、住宅価格が10%下落すれば、家計消費は1.5%減少するという。

デベル副総裁は、最近の市況悪化がインフレに「予想よりも大きな」波及効果をもたらしていることにも言及した。消費者物価指数(CPI)の構成バスケットで、家賃と新規住宅購入は合わせて約6分の1を占める。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

英自動車生産、10月は前年比23.8%減 ジャガー

ビジネス

東京コアCPI、11月は+2.8% 食品価格減速「

ワールド

香港大規模火災の死者94人に、鎮火は28日夜の見通

ビジネス

小売販売額10月は前年比1.7%増、PCなど家電増
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 4
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 5
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 6
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 7
    がん患者の歯のX線画像に映った「真っ黒な空洞」...…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    「攻めの一着すぎ?」 国歌パフォーマンスの「強めコ…
  • 10
    7歳の娘の「スマホの検索履歴」で見つかった「衝撃の…
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 3
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 4
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 5
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 6
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 7
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 10
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中