インドネシア4月貿易黒字、5年ぶり低水準 5月CPIは鈍化

インドネシア統計局が2日発表した4月の貿易黒字は約1億6000万ドルで、2020年4月以来の低水準となった。写真は、ジャカルタにあるタンジュンプリオク港横を走るトラック。2023年2月、ジャカルタで撮影(2025年 ロイター/Ajeng Dinar Ulfiana)
Stefanno Sulaiman Gayatri Suroyo
[ジャカルタ 2日 ロイター] - インドネシア統計局が2日発表した4月の貿易黒字は約1億6000万ドルで、2020年4月以来の低水準となった。輸入が急増した。
ロイターのアナリスト調査では黒字幅は30億4000万ドルと予想されていた。
同国の貿易収支は過去5年間、毎月、黒字を計上しているが、4月の黒字幅は過去5年で最低だった。3月は43億3000万ドルの黒字。
4月の輸入は前年比21.84%増の205億9000万ドル。資本財の輸入が最も増加した。アナリスト予想は7.75%増だった。
4月の輸出は前年比5.76%増の207億4000万ドル。アナリスト予想と一致した。石炭価格の低迷を受けて鉱物輸出が20%以上減少した。
対米輸出は20億8000万ドル。一部の輸出品には米政府が4月上旬に発動した10%の関税が適用された。
バンク・セントラル・アジアのエコノミスト、バラ・クク・マミア氏は、輸入が予想を上回ったことについて、中国とシンガポールからの輸入が背景だとし「全てトランプ関税に関連した一時的な混乱を示すものであり、その後トランプ氏が対中追加関税を停止したため、5月は反転する可能性がある」と述べた。
一方、統計局が発表した5月の消費者物価指数(CPI)は前年比1.60%上昇と、4月の1.95%上昇から予想以上に鈍化した。ロイターのアナリスト調査では1.94%上昇と予想されていた。
コアインフレ率は2.4%。アナリスト予想は2.5%だった。
4月のCPI上昇率は中央銀行のインフレ目標(1.5─3.5%)の下限に近い水準となった。コメの生産増加が低インフレに寄与している。