ニュース速報
ビジネス

米、国内アンチモン採掘を許可 中国禁輸で調達体制構築へ

2025年01月04日(土)18時16分

 バイデン米政権は3日、鉱物探査会社ペーペチュア・リソーシズ(アイダホ州ボイシ)にアイダホ州の鉱山でのアンチモンと金の採掘許可を出した。2日撮影(2025年 ロイター/Kevin Lamarque)

Ernest Scheyder

[3日 ロイター] - バイデン米政権は3日、鉱物探査会社ペーペチュア・リソーシズ(アイダホ州ボイシ)にアイダホ州の鉱山でのアンチモンと金の採掘許可を出した。アンチモンは弾薬や赤外線ミサイル、難燃剤などに使われる重要鉱物。これまで米国内に供給源がなかったが、中国が昨年12月に対米輸出を原則禁止しており、国内調達体制を構築する。

同社の採掘計画を8年にわたり審査していた米森林局がこのほど実質的な採掘許可証に相当する最終決定記録をウェブサイトに公開した。

ペーペチュアの鉱山はボイシの北約222キロに位置し2028年までに操業を開始する予定。米国の年間アンチモン需要の35%以上を供給するほか、毎年45万オンスの金を生産する見通し。

森林局は154ページの報告書の中で、パーペチュアの計画に関する決定は環境データの詳細な検討や先住民グループとの話し合い、および他の連邦機関との協議に基づいていると説明した。

「(鉱山の)環境設計の特徴や監視システム、緩和策により、(連邦政府所有地の)環境への悪影響をどの程度最小限に抑えられるかを考慮した」と森林局のマシュー・デイビス氏は報告書で述べた。

指摘を受けて計画を3回修正したペーペチュアはこの鉱山を「可能な限り最高のもの」にできると信じていると表明。「このプロジェクトのあらゆる細部は綿密に検討された」とジョン・チェリー最高経営責任者(CEO)は語った。

ペーペチュアは米陸軍工兵隊から湿地開発に関する許可を取得する必要があるが、森林局は同局と協議した上で決定を下したと述べており、今後の審査は順調に進むとみられる。

パーペチュアの株価は、ロイターの報道を受けて時間外取引で9.1%上昇した。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:ブラジルのコーヒー農家、気候変動でロブス

ワールド

アングル:ファッション業界に巣食う中国犯罪組織が抗

ワールド

中国で「南京大虐殺」の追悼式典、習主席は出席せず

ワールド

トランプ氏、次期FRB議長にウォーシュ氏かハセット
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 2
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 3
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 4
    「前を閉めてくれ...」F1観戦モデルの「超密着コーデ…
  • 5
    現役・東大院生! 中国出身の芸人「いぜん」は、なぜ…
  • 6
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 7
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 8
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 9
    「体が資本」を企業文化に──100年企業・尾崎建設が挑…
  • 10
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 8
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中