ニュース速報
ビジネス

米求人件数、8月は804万件に増加 採用低調で労働市場の減速示唆

2024年10月02日(水)06時30分

米労働省が1日発表した8月の雇用動態調査(JOLTS)は、求人件数が32万9000件増の804万件だった。2023年1月撮影(2024年 ロイター/Brian Snyder)

[ワシントン 1日 ロイター] - 米労働省が1日発表した8月の雇用動態調査(JOLTS)は、求人件数が32万9000件増の804万件だった。2カ月連続で減少した後に予想外に増加したものの、雇用は軟調で労働市場の減速が示され、11月に開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利下げ観測に変わりはないとみられる。

エコノミスト予想は766万件だった。

7月の求人件数は771万1000件と、767万3000件から上方改定された。 

8月の採用件数は9万9000件減の531万7000件。小売業、運輸、倉庫、公共事業のほか、製造業、医療、社会扶助部門での落ち込みが響いた。ホテル、レストラン、バーでも減少した。

業種別の求人件数は、建設業が13万8000件増とけん引した。州・地方政府(教育を除く)も7万8000件増。一方、その他のサービス業は9万3000件減少した。

求人率は4.8%と、7月の4.6%から上昇した。従業員数が10─49人の企業で20万3000件増加。中規模、大規模の企業では減少した。

採用率は3.3%と7月の3.4%から低下。従業員数が10─49人の企業では18万件減となった。

レイオフ・解雇件数は10万5000件減の160万8000件。

8月の失業者1人当たりの求人件数は1.13件と、7月の1.08件から減少した。

自発的な離職件数は15万9000件減の308万4000件と、2020年8月以来、過去4年間で最も低い水準となった。退職率は4年ぶりの低水準となる1.9%に低下。賃金インフレの抑制に寄与するとみられる。7月は2.0%だった。

バークレイズのシニア米国エコノミスト、ジョナサン・ミラー氏は「きょう発表された内容は、失業率のさらなる上昇は限定的となる可能性が高いことを示唆している」と指摘。「雇用と離職のギャップが拡大していることから、連邦準備理事会(FRB)は11月の次回会合で25ベーシスポイント(bp)の利下げを実施する公算が大きい」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

中国4月CPI3カ月連続下落、PPI下落加速 貿易

ビジネス

米政権、航空機・部品輸入を調査 追加関税の可能性

ワールド

G7、インドとパキスタンに直接対話要請 外相声明

ワールド

アングル:軍事費拡充急ぐ欧州、「聖域」の軍隊年金負
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 2
    SNSにはトップレス姿も...ヘイリー・ビーバー、ノーパンツルックで美脚解放も「普段着」「手抜き」と酷評
  • 3
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 4
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 5
    ロシア機「Su-30」が一瞬で塵に...海上ドローンで戦…
  • 6
    教皇選挙(コンクラーベ)で注目...「漁師の指輪」と…
  • 7
    恥ずかしい失敗...「とんでもない服の着方」で外出し…
  • 8
    「股間に顔」BLACKPINKリサ、ノーパンツルックで妖艶…
  • 9
    骨は本物かニセモノか?...探検家コロンブスの「遺骨…
  • 10
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 1
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 2
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 3
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 4
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 5
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 6
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 7
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 8
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 9
    SNSにはトップレス姿も...ヘイリー・ビーバー、ノー…
  • 10
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中