4月23日、日経平均株価は初めての6万円台をつけました。イラク情勢と原油高を睨みながら、しばらくは方向感を欠く展開が続いていましたが、停戦延長の報道を受けて一気に買いが入りました。

そんな「迷いの局面」にあった4月の株式市場で、ひときわ目を引いた銘柄がありました。土産菓子を手がける食品メーカー、寿スピリッツ<2222>です。3月期の売上概算発表で増収増益基調が確認されると、株価は8%上昇。「待っていました」と言わんばかりの買いが入った形です。

なぜ今、菓子メーカーが物色されるのか。そこには、内需株のひとつの成長モデルとしての期待がありました。

一度は食べたことが…寿スピリッツの強み

北海道・小樽の「ルタオ」、東京の「東京ミルクチーズ工場」や「バターバトラー」、山陰・鳥取の「因幡の白うさぎ」……。誰もが一度は目にしたことがあるこれらの土産菓子は、ブランドは違えど、実はいずれも寿スピリッツのグループに属しています。

日本の土産菓子を陰で束ねる一大企業、それが寿スピリッツなのです。その強みは、単に菓子を作ることではありません。空港や駅といった人の流れが集中する場所に、最適なブランド土産菓子を配置し、「つい買ってしまう」状況を上手に作っている点にあります。

たとえば「ルタオ」は、看板商品のチーズケーキが有名で「これを買えば間違いなし」と思わせます。一方、「バターバトラー」は、金色のパッケージと濃厚なバターの甘い香りが、売り場を行き交う人の足を止めさせ、「ちょっと贅沢だけど手に入る」と感じさせます。

加えて、「小樽だからルタオ」「東京駅だから限定フィナンシェ」など、「○○だから」の商品を最適に配置して、消費者に「買う理由」を用意しているのです。ブランドと立地を組み合わせたこの戦略によって、寿スピリッツは高い収益性を実現しています。

■寿スピリッツが5月に強い理由

もともと寿スピリッツは「5月に強い銘柄」として株式市場では広く知られています。過去10年の5月の月間騰落率は10連勝で、際立った実績を持ちます。その背景にあるのは、ゴールデンウィークという季節要因です。

人が移動すれば、「何か買って帰ろう」という需要が生まれ、空港や駅ナカの売り場は活性化します。寿スピリッツの各ブランドは、こうした移動の動線上の消費を押さえていることに加え、新商品や限定商品の投入で「選ぶ楽しさ」という体験としての消費も提供しています。

つまり、寿スピリッツが5月に強いのは、単なるアノマリーではなく戦略と季節性が重なった結果であり、今年はその再現性がより意識されやすい環境にあると言えます。

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消費傾向の変化が寿スピリッツの追い風に
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