ニュース速報
ビジネス

英小売売上高、12月は前月比-3.2% 景気後退リスク

2024年01月19日(金)18時05分

 1月19日、英国立統計局(ONS)が発表した昨年12月の小売売上高(数量ベース)は前月比3.2%減少した。写真は昨年12月、ロンドンで撮影(2024年 ロイター/Kevin Coombs)

[ロンドン 19日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が19日発表した昨年12月の小売売上高(数量ベース)は前月比3.2%減少した。過去3年近くで最大の減少。

第4・四半期に景気後退(リセッション)入りしたリスクが高まった。

ロイターがまとめた市場予想は中央値で0.5%減。ただ、予想には幅があった。

12月の小売売上高は2020年5月以来の低水準。21年1月以来の大幅減となった。

第4・四半期の国内総生産(GDP)が減少するリスクが高まった。第3・四半期のGDPは0.1%減だった。

ONSは小売売上高が第4・四半期GDPを0.04%ポイント押し下げる可能性が高いと指摘している。

ONS幹部は「食品店が非常に不調で、21年5月以来の大幅減となった。クリスマスの買い物の前倒しで12月の売り上げが低迷した」と述べた。

ONSによると、消費者が11月にクリスマス用の食品やギフトを買いだめした形跡がある。11月の売上高は前月比1.4%増だった。

12月の小売売上高は前年同月比で2.4%減。エコノミストからは大幅な減少に驚きの声が上がっている。

キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、アレックス・カー氏は「生活費危機と金利急上昇の影響が依然として実質所得と個人消費の重しになっている」と述べた。

統計発表を受け、ポンドは対ドルと対ユーロで小幅下落。英国債価格は上昇した。

世論調査によると、与党・保守党は支持率で野党・労働党に大きく水をあけられている。スナク首相は英国が正しい方向に進んでいると有権者に訴えているが、景気後退入りすれば、苦しい立場に立たされる可能性がある。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:DVによる経済損失、GDPの1─2%も 

ワールド

イスラエルは民間人保護の「信頼できる計画」を、米国

ワールド

ロシア大統領、ショイグ国防相を交代 後任にベロウソ

ワールド

アフガニスタン北部で洪水、315人死亡
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岸田のホンネ
特集:岸田のホンネ
2024年5月14日号(5/ 8発売)

金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口......岸田首相がニューズウィーク単独取材で語った「次の日本」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 2

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 3

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 4

    地下室の排水口の中に、無数の触手を蠢かせる「謎の…

  • 5

    横から見れば裸...英歌手のメットガラ衣装に「カーテ…

  • 6

    ブラッドレー歩兵戦闘車、ロシアT80戦車を撃ち抜く「…

  • 7

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 8

    アメリカでなぜか人気急上昇中のメーガン妃...「ネト…

  • 9

    「終わりよければ全てよし」...日本の「締めくくりの…

  • 10

    年金だけに頼ると貧困ライン未満の生活に...進む少子…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 3

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 4

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 5

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 6

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 7

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 8

    ウクライナ防空の切り札「機関銃ドローン」、米追加…

  • 9

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 5

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中