ニュース速報

ビジネス

米政府、既存自動車工場のEV生産転換に120億ドルの助成措置

2023年09月01日(金)07時38分

 8月31日、バイデン米政権は、自動車メーカーと部品会社が電気自動車(EV)や最新型の自動車の生産向けに既存工場を改装するために、助成金や貸付金として120億ドルを拠出する。グランホルム・エネルギー長官(写真)が同日明らかにした。3月8日、ヒューストンで撮影(2023年 ロイター/Callaghan O'Hare)

Timothy Gardner

[ワシントン 31日 ロイター] - バイデン米政権は、自動車メーカーと部品会社が電気自動車(EV)や最新型の自動車の生産向けに既存工場を改装するために、助成金や貸付金として120億ドルを拠出する。グランホルム・エネルギー長官が31日明らかにした。

グランホルム氏は「われわれはEVへの移行を推進するが、労働者もそっくりそのまま移行させ、どんな労働者や地域社会も取り残されないようにする道を確保したい」と述べた。

バイデン政権はEV移行を促すために厳しい環境基準を提案。これに対して自動車メーカーと全米自動車労働組合(UAW)の双方から批判が出ている。特にUAWは、急激なEV移行はミシガンやオハイオ、イリノイ、インディアナ各州で何千人もの雇用が危機にさらされると警告してきた。

ただ今回の助成措置で既存工場を迅速にEV生産向けへ転換できれば、そうした風当たりは弱まる可能性もある。

UAWのフェイン委員長はこの発表を歓迎。EV移行には労組との強固なパートナーシップが不可欠で、そこには何世代ものUAWメンバーが勝ち取ってきた高い賃金や安全基準が含まれるのだと経営側にはっきりと示す政策だと評価した。

バイデン大統領は「クリーンエネルギー経済の構築は、米経済を長く支えてきた自動車メーカーと労組加入者にウィンウィンの機会をもたらせるし、もたらすはずだ」とコメントした。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

原油先物が小幅安、市場は対ロ制裁や関税を引き続き注

ワールド

米、メキシコ産トマトの大半に約17%関税 合意離脱

ワールド

米、輸入ドローン・ポリシリコン巡る安保調査開始=商

ワールド

事故調査まだ終わらずとエアインディアCEO、報告書
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    真っ赤に染まった夜空...ロシア軍の「ドローン700機」に襲撃されたキーウ、大爆発の瞬間を捉えた「衝撃映像」
  • 2
    「史上最も高価な昼寝」ウィンブルドン屈指の熱戦中にまさかの居眠り...その姿がばっちり撮られた大物セレブとは?
  • 3
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別「年収ランキング」を発表
  • 4
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 7
    【クイズ】次のうち、生物学的に「本当に存在する」…
  • 8
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 9
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 10
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首」に予想外のものが...救出劇が話題
  • 4
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 5
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 8
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 9
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 10
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中