ニュース速報

ビジネス

米国など主要国、根本的に低金利環境=NY連銀総裁

2023年05月22日(月)07時55分

米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は19日、新型コロナウイルスによるパンデミック(世界で気大流行)とそれに起因するインフレ急伸の影響にもかかわらず、米国と他の主要国は依然として根本的に低金利環境にあるとの認識を示した。2019年11月撮影(2023年 ロイター/Carlo Allegri/)

[ニューヨーク 19日 ロイター] - 米ニューヨーク(NY)連銀のウィリアムズ総裁は19日、新型コロナウイルスによるパンデミックとそれに起因するインフレ急伸の影響にもかかわらず、米国と他の主要国は依然として根本的に低金利環境にあるとの認識を示した。

ウィリアムズ総裁は連邦準備理事会(FRB)がワシントンで開催した会議で、パンデミックとその最も急性は余波を踏まえても、自然利子率(Rスター)が低水準にあるという基本的なシナリオは変わらないと指摘。「自然利子率が極めて低い時代が終わったという証拠はないということが重要だ」と述べた。

同総裁は「Rスターの推計値は2023年第1・四半期に約0.5%となり、その後、ゼロをわずかに下回るまで低下する」と述べた。パンデミック前のRスター推計値は大抵0.5%前後で推移していた。

NY連銀は19日、パンデミックの影響で20年後半に停止していたRスター推計値の公表を再開。それによると、22年第4・四半期は1.16%で、前年同期の1.81%から低下した。

Rスターを現実の金利に置き換えるには、この変数をFRBの2%インフレ目標に加算することになる。ウィリアムズ氏の現在の推計ではRスターは0─0.5%で推移しており、現在のフェデラルファンド(FF)金利誘導目標(5.00─5.25%)はかなりの制約的な領域に設定されている形だ。

ウィリアムズ総裁は経済や金融政策の見通しについて直接コメントしなかった。ただ今回の発言で、FRBがインフレ対応を終えた後、短期金利が将来的に再び低水準に戻される可能性があることが示唆された。

●とはいえ、同総裁は自身のRスター推計値とFRB金融政策見通しを結びつけようとする動きに抵抗。この推計値に基づいて「金融政策が何をすべきか、何をすべきでないかについて意見を述べるつもりはない」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

台湾海峡を米英軍艦が航行、中国軍が警告・監視命令

ワールド

独英仏、イスラエルによるドーハ空爆を非難 「和平交

ワールド

米ブラックロックCIO、FRB議長後任候補に浮上=

ワールド

カーク氏射殺、22歳容疑者を拘束 弾薬に「ファシス
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 2
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサイルが命中、米政府「機密扱い」の衝撃映像が公開に
  • 3
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる」飲み物はどれ?
  • 4
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 6
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 7
    「AIで十分」事務職が減少...日本企業に人材採用抑制…
  • 8
    毎朝10回スクワットで恋も人生も変わる――和田秀樹流…
  • 9
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「火山が多い国」はどこ?
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサイルが命中、米政府「機密扱い」の衝撃映像が公開に
  • 4
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 5
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 6
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 7
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 8
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 9
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 10
    眠らないと脳にゴミがたまる...「脳を守る」3つの習…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 4
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 5
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 9
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 10
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中