ニュース速報

ビジネス

米司法省、ジェットブルーのスピリット買収阻止求め提訴 運賃上昇など懸念

2023年03月08日(水)07時37分

3月7日、米司法省は、格安航空会社(LCC)のジェットブルー航空が同業スピリット航空を38億ドルで買収する計画を阻止するための訴訟を起こした。写真は両社のロゴと航空機のイメージ。2022年6月撮影(2023年 ロイター/Dado Ruvic)

[ワシントン 7日 ロイター] - 米司法省は7日、格安航空会社(LCC)のジェットブルー航空が同業スピリット航空を38億ドルで買収する計画を阻止するための訴訟を起こした。両社の統合は運賃上昇や座席数減少につながり、多くの路線の消費者に損失を与えると主張している。

ガーランド司法長官は、ジェットブルーとスピリットの内部文書を引き合いにして、スピリットの市場参入で運賃は17%下がり、スピリットが運航を止めると逆に運賃は30%上がると説明。「この合併は何千万人もの旅行者に運賃上昇と座席数減少をもたらし、飛行機による移動の際に超格安航空会社を利用する人々に最も大きな影響を及ぼす」と述べた。

また司法省の今回の訴状で、ジェットブルーはスピリットの各航空機当たり10─15%の座席数削減を目指しているとも指摘した。

訴訟の原告にはマサチューセッツ州とニューヨーク州、首都ワシントンも加わっている。

一方ジェットブルーのロビン・ヘイズ最高経営責任者(CEO)は声明で「司法省は法の運用を間違っている上に、この合併が、米国市場の80%前後を牛耳る航空大手4社と競争できる全米規模の質の良い格安航空会社を誕生させるという事実を見逃している、とわれわれは考えている」などと反論した。

バイデン政権は幾つかの産業でこれ以上統合や再編が進むのを止めようとしている。ガーランド氏は「全ての産業の企業は、司法省がためらいなく反トラスト法(独占禁止法)を運用し、米国の消費者を守る姿勢だということを理解する必要がある」と言い切った。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=S&P・ナスダック過去最高値、エヌビ

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、米雇用好調で7月利下げ観測

ワールド

米ロ首脳が電話会談、ウクライナ早期停戦巡り協議 ロ

ビジネス

米6月雇用、14.7万人増と予想上回る 民間部門は
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 2
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 3
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコに1400万人が注目
  • 4
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 5
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 6
    ワニに襲われた直後の「現場映像」に緊張走る...捜索…
  • 7
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 8
    吉野家がぶちあげた「ラーメンで世界一」は茨の道だ…
  • 9
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた…
  • 10
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 1
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 2
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 3
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 4
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 5
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 6
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 7
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 8
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギ…
  • 9
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 10
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 7
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 8
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 9
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 10
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中