ニュース速報

ビジネス

訂正:トヨタとスバル、新型EV受注・試乗会中止 脱輪の恐れでリコール

2022年06月24日(金)10時09分

トヨタ自動車は23日、タイヤを取り付けるボルト部品の不具合により、電気自動車(EV)「bZ4X」のリコール(回収・無償修理)を国土交通省に届け出た。対象は、兄弟車のSUBARU(スバル)「ソルテラ」の92台を含む計204台。写真はトヨタのbZ4X。東京で昨年12月撮影。(2022年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

(会社側の申し出により、本文5段落目の北米の台数「280」を「270」に訂正します)

[東京 23日 ロイター] - トヨタ自動車は23日、タイヤを取り付けるボルト部品の不具合により、電気自動車(EV)「bZ4X」のリコール(回収・無償修理)を国土交通省に届け出た。対象は、兄弟車のSUBARU(スバル)「ソルテラ」の92台を含む計204台。すべて試乗車や展示車などで、両社は同日から受注活動を停止し、試乗会も中止した。

bZ4Xとソルテラは両社にとって初の量産型EV。国内では5月12日に発売したばかりだった。EVならではの乗り味を顧客に体験してもらうため、積極的に試乗会や販促活動を仕掛けていただけに出鼻をくじかれた格好だ。

不具合はEV技術に由来するものではなく、タイヤを取り付ける「ハブボルト」と呼ばれる部品で見つかった。急旋回や急制動を繰り返すと、このボルトが緩む可能性があり、そのままの状態で走行を続けると異音が発生し、最悪の場合、タイヤが脱落する恐れがある。不具合は海外で走行中に発覚したが、事故はない。

改善対策がまだ決定しておらず、当面の措置として使用を取り止める。3月2日から6月2日に生産された車両がリコールの対象で、両社の広報によると、日本でのリコール対象車両はすべて試乗・展示用などで、顧客に納車された車両はない。

2車種は世界戦略車でもあり、世界全体でのリコール対象台数は、トヨタが約2700台で、内訳は欧州で2200台、北米で270台(訂正)、アジアで60台。スバルは米国・欧州など合わせて約2600台。スバルの広報によると、特約店や販売店の車両などがほとんどで、「少なくとも米国では納車済みの車両はないことが確認されている」という。

bZ4Xの国内販売は、法人向けがリースのみ、個人向けは月額定額(サブスクリプション)サービスのみとなっている。定額サービスの運営会社「KINTO」(名古屋市)はこの日からbZ4Xとして過去最大となる計約600組分の試乗枠を設けたイベントを大阪を皮切りに東京、愛知で順次開催する計画だったが、キャンセルした。

KINTOの広報担当者は「(リコールの)原因が特定され、安全・安心が確認されたら試乗イベントを仕切り直す」と語った。

スバルの広報担当者も「対策が講じられるまでは試乗できない。この日から受注活動をいったん止めた」と語った。

国内での受注は、bZ4Xは個人・法人合計で第1弾として3000台限定となっているが、6月10日時点で「完売には至っていない」(KINTO広報)。ソルテラは5月末時点で月販150台の販売計画の3.3倍超となる「約500台の売れ行き」(スバル広報)となっていた。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、香港紙創業者の有罪「残念」 中国主席に

ワールド

ゼレンスキー氏、ロシアが和平努力拒否なら米に長距離

ビジネス

ナスダックが取引時間延長へ申請、世界的な需要増に照

ビジネス

テスラ、ロボタクシー無人走行試験 株価1年ぶり高値
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジアの宝石」の終焉
  • 4
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 5
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 6
    アダルトコンテンツ制作の疑い...英女性がインドネシ…
  • 7
    「なぜ便器に?」62歳の女性が真夜中のトイレで見つ…
  • 8
    「職場での閲覧には注意」一糸まとわぬ姿で鼠蹊部(…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 1
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 2
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 3
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 4
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 5
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 6
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 9
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中