ニュース速報

ビジネス

財務省がデジタル通貨対応で体制強化へ、近く予算要求=政府筋

2021年07月16日(金)13時22分

 7月16日、財務省は、世界的に議論が進むデジタル通貨への取り組みを加速するため、体制を強化する検討に入った。写真は財務省。都内で2011年8月撮影(2021年 ロイター/Yuriko Nakao)

山口貴也 木原麗花

[東京 16日 ロイター] - 財務省は、世界的に議論が進むデジタル通貨への取り組みを加速するため、体制を強化する検討に入った。通貨を管理する理財局国庫課の人員を増やすことを念頭に、近く正式に予算要求する。金融庁では市場企画局に「デジタル・分散型金融企画室」を8日付で新設した。新たな陣容でデジタル通貨に関する協議に弾みをつける狙いだ。

複数の政府筋が明らかにした。財務省と金融庁は、日銀が今春設置した「中央銀行デジタル通貨に関する連絡協議会」に参加。デジタル通貨を巡って全国銀行協会などの関連団体とも協議を重ねているが、専門の担当官を新たに拡充する必要があると判断した。

人選などの具体策は今後詰める。財務省からのコメントは得られていない。金融庁の関係者は「ポストを新設したのは事実だが、何を議論していくかは現時点で決まっていない」と述べた。

日米欧などの主要7カ国(G7)は6月の財務相・中央銀行総裁会議で、デジタル通貨に関し、法律や規制、監視面で「十分に対処されるまではサービスを開始すべきではない」とする共同声明を採択した。

一方、G7各国は「大きな利益をもたらし得る」との認識では一致しており、欧州中央銀行(ECB)は14日の理事会で、デジタル通貨導入に向けた本格的な調査を始めることを決めた。調査期間は2年間で、早ければ2026年にもデジタルユーロを発行する可能性がある。

日本を含め、米中でも調査や実証実験が進められ、サイバーセキュリティーやプライバシー、資金洗浄、金融政策への影響など残る課題をどうクリアするかが焦点となる。デジタル通貨には暗号資産やステーブルコインに加え、中銀が発行する中央銀行デジタル通貨(CBDC)がある。

<CBDC巡る協議加速>

日銀は、21年4月からCBDCに関する実証実験を開始した。CBDCの基本的な機能を検証する「概念実証フェーズ1」を手始めに、周辺機能を検証する「概念実証フェーズ2」を経て、必要と判断すれば、民間事業者や消費者が参加する形でのパイロット実験を行うことも視野に入れた3段階での実証実験を想定している。

今のところはフェーズ1の検討段階だが、来年度中には次のステップに移行する見通しで、制度設計をどうするかの最終協議に向け、検証を加速させる。

(山口貴也、木原麗花 編集:久保信博)

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

世界で政治家への暴力や脅迫急増、新技術が助長=調査

ワールド

ドイツ銀、エプスタイン氏との決別は緩やかに 米司法

ワールド

中国とメキシコの通商担当高官が会談、関税巡る摩擦の

ワールド

中国、3月にレアアース輸出規制説明会
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トランプには追い風
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 5
    一体なぜ? 中国でハリー・ポッターの「あの悪役」が…
  • 6
    あなたの隣に「軍事用ヒト型ロボット」が来る日
  • 7
    【独自取材】「氷上のシルクロード」を目指す中国、…
  • 8
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 9
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 10
    まさに「灯台下暗し」...九州大学の研究チームが「大…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 5
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予…
  • 6
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 7
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 8
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 9
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 10
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 4
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を…
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中