ニュース速報

ビジネス

機械受注、2月は予想外の8.5%減 判断「持ち直し足踏み」に下方修正

2021年04月14日(水)10時46分

 4月14日、内閣府が発表した2月機械受注統計によると、設備投資の先行指標である船舶・電力を除いた民需の受注額(季節調整値)は、前月比8.5%減の7698億円となった。写真は横浜で2017年1月撮影(2021年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 14日 ロイター] - 内閣府が14日発表した2月機械受注統計によると、設備投資の先行指標である船舶・電力を除いた民需の受注額(季節調整値)は、前月比8.5%減の7698億円だった。減少幅は昨年4月以来の大きさ。市場予測(2.8%増)に反し、予想外の減少となった。一方、外需は5カ月連続の増加となり引き続き堅調な動きを見せている。

前年比は7.1%減。前月比と同様、市場予想(2.3%増)に反して減少となった。

内閣府は基調判断を1月の「持ち直している」から「持ち直しの動きに足踏みがみられる」に下方修正した。昨年夏以降、新型コロナウイルスの影響で落ち込んだ設備投資が持ち直してきたが、その動きが一服したもよう。

大和証券のチーフマーケットエコノミスト、岩下真理氏は「新型コロナの不確実性のもと、持ち直しから力強さに転じるには時間がかかる」との見方を示した。

製造業は前月比5.5%減の3426億円。17業種中12業種が減少。繊維工業、食品製造業、非鉄金属、パルプ・紙・紙加工品などの落ち込みが大きく、「世界の需要回復による素材業種の勢いが一服したことがうかがえる」(大和証の岩下氏)。非製造業(除く船舶・電力)は同10.9%減の4227億円となった。

年明け以降、自動車向けの半導体不足の問題も浮上しているが、内閣府の担当者は「一時的なサプライチェーンの滞り。設備投資は中長期的に考えなければならないので、直ちに結びついてはいない」との見方を示した。

外需は前月比76.2%増。受注額は1兆8061億円で、比較可能な2005年4月以降、過去最高の水準となった。伸び率は過去2番目の大きさ。化学機械で数千億円単位の大型案件が1件あったことが大幅な押し上げ要因になった。それを除いても海外で設備投資の活発化の動きが継続していることがうかがえる。

機械受注統計は機械メーカーの受注した設備用機械について毎月の受注実績を調査したもの。設備投資の先行指標として注目されている。

*エコノミストのコメントなど内容を加えて再構成しました。

(杉山健太郎 編集:山川薫)

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

北京市、住宅購入規制さらに緩和 需要喚起へ

ビジネス

フジHD、株式買い増しはTOBでと旧村上系から通知

ビジネス

26年度の超長期国債17年ぶり水準に減額、10年債

ワールド

フランス、米を非難 ブルトン元欧州委員へのビザ発給
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者・野村泰紀に聞いた「ファンダメンタルなもの」への情熱
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    ジョンベネ・ラムジー殺害事件に新展開 父「これまでで最も希望が持てる」
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 6
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 7
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 8
    「何度でも見ちゃう...」ビリー・アイリッシュ、自身…
  • 9
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 10
    なぜ人は「過去の失敗」ばかり覚えているのか?――老…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 9
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 10
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中