ニュース速報

ビジネス

アングル:中国アントIPO、香港証取巻き返しの起爆剤に

2020年08月29日(土)07時59分

 中国電子商取引大手アリババ・グループ傘下の金融会社アント・グループによる香港と上海でのIPO計画は、今年上期のIPO番付で世界第5位に落ちた香港取引所にとって、巻き返しの起爆剤となる可能性がある。写真は1月、北京で株価ボードを見る投資家(2020年 ロイター/Jason Lee)

[香港 26日 ロイター] - 中国電子商取引大手アリババ・グループ <9988.HK>傘下の金融会社アント・グループによる香港と上海での新規株式公開(IPO)計画は、今年上期のIPO番付で世界第5位に落ちた香港取引所<0388.HK>にとって、巻き返しの起爆剤となる可能性がある。

アント・グループは25日、香港と上海の中国版ナスダック「科創板」の双方に上場し、最大300億ドルを調達する計画を申請。実現すれば世界最大のIPOとなる可能性がある。

香港は中国政府による「国家安全維持法」の導入と、それを受けて米国が香港への優遇措置を停止したことで、金融センターとしての将来に暗雲が漂っている。

リフィニティブのデータによると、香港は昨年、IPOとアリババによる重複上場を合わせた規模が世界首位になったが、IPOのみでは3位にとどまっていた。IPOは18年の番付ではトップだった。

IPOは今年上期では、米ナスダック、米ニューヨーク証券取引所、科創板、上海証券取引所に次いで5位に転落している。

今年末にかけては、香港と競合する取引所では大型IPOがほとんど計画されていない。

<存在感増すハイテク企業>

アントは香港、上海それぞれの取引所での調達予定額を明らかにしていない。

マーカム・バーンスタイン&ピンチャクのドリュー・バーンスタイン共同会長は「香港は国際的な機関投資家と、交換可能な通貨へのアクセスを提供する一方、上海は国内投資家から、より幅広い参加が見込めるかもしれない」と話した。

香港証取のデータによると、主要株価指数ハンセン指数はハイテク株が時価総額の25.1%を占めている。15年はこの割合が8.6%にとどまっていた。

資本市場コンサルタントのフィリップ・エスピナス氏は「香港市場は変化しており、不動産企業や金融機関に代わり、巨大インターネット企業がますます存在感を増している」と述べた。

香港証取はアントの上場についてコメントを控えた。アントが上場計画を発表した7月20日、証取の李小加(チャールズ・リー)最高経営責任者(CEO)は、「世界を代表する国際的IPO市場」としての香港の位置付けを確認するものだと述べていた。

(Scott Murdoch記者)

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

トランプ米大統領、クレジットカード金利に10%の上

ビジネス

関税返還となった場合でも米財務省には十分な資金=ベ

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、米雇用統計予想下回る 円は

ワールド

米、ベネズエラと連携し石油タンカー拿捕=トランプ氏
MAGAZINE
特集:AI兵士の新しい戦争
特集:AI兵士の新しい戦争
2026年1月13日号(1/ 6発売)

ヒューマノイド・ロボット「ファントムMK1」がアメリカの戦場と戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 5
    「不法移民からアメリカを守る」ICEが市民を射殺、証…
  • 6
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 7
    ベネズエラの二の舞を恐れイランの最高指導者ハメネ…
  • 8
    次々に船に降り立つ兵士たち...米南方軍が「影の船団…
  • 9
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画を…
  • 10
    美男美女と話題も「大失敗」との声も...実写版『塔の…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 5
    眠る筋力を覚醒させる技術「ブレーシング」とは?...…
  • 6
    次々に船に降り立つ兵士たち...米南方軍が「影の船団…
  • 7
    ベネズエラの二の舞を恐れイランの最高指導者ハメネ…
  • 8
    アメリカ、中国に台湾圧力停止を求める
  • 9
    「グリーンランドにはロシアと中国の船がうじゃうじ…
  • 10
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 5
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 6
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 7
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 9
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中