ニュース速報

ビジネス

世界的な経常収支不均衡、20年はコロナ禍で一段と縮小=IMF

2020年08月05日(水)01時40分

国際通貨基金(IMF)は4日、世界貿易の停滞を受け世界的な経常収支の不均衡は2019年に縮小し、20年は新型コロナウイルス感染拡大を受け一段と縮小する可能性があるとする報告書を公表した。サンティアゴで昨年7月撮影(2020年 ロイター/Rodrigo Garrido)

[ワシントン 4日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は4日、世界貿易の停滞を受け世界的な経常収支の不均衡は2019年に縮小し、20年は新型コロナウイルス感染拡大を受け一段と縮小する可能性があるとする報告書を公表した。ただ、一部の資源輸出国や観光依存度が高い国の経常収支は赤字に転じる恐れがあるとの見方を示した。

IMFは、経済規模が世界で30位までの国の為替と不均衡に関する「対外部門の安定性に関する報告書(ESR)」で、純経済収支の世界的な国内総生産(GDP)に対する比率は0.2%ポイント低下の2.9%だったと報告。新型ウイルス感染拡大を受け多くの国が財政、金融刺激策を導入したことが一部要因となり、20年はさらに0.3%ポイント低下するとの見方を示した。

IMFのチーフエコノミストのギタ・ゴピナス氏は報告書の発表に合わせて行った記者会見で「コモディティ(商品)の主要輸出国は経常収支が大幅な黒字から大幅な赤字に転じる可能性がある」と指摘。IMFは観光業への依存度が高いタイやマレーシアなどの 経常黒字は20年は大幅に縮小するとの見通しを示した。

中国の経常黒字の対GDP比率は19年は1.0%だったが、20年は1.3%に上昇すると予想。中国の経済ファンダメンタルズ(基礎的条件)と一致しているとした。また、中国人民元の実質実効レートは20年5月までに19年の平均から1.8%上昇したとも報告した。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

再送-インタビュー:ラピダス半導体にIOWN活用も

ビジネス

中国、国有メーカー2車種を初の自動運転レベル3認定

ワールド

インド貿易赤字、11月は縮小 政府高官「米との枠組

ビジネス

日本生命、医療データ分析のMDVにTOB 完全子会
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 2
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジアの宝石」の終焉
  • 3
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 4
    極限の筋力をつくる2つの技術とは?...真の力は「前…
  • 5
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 6
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 7
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    大成功の東京デフリンピックが、日本人をこう変えた
  • 10
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 3
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 4
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 9
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中