ニュース速報

ビジネス

セブン&アイHDとローソン、21年2月期業績予想を「未定」に

2020年04月09日(木)18時26分

 4月9日、セブン&アイ・ホールディングスとローソンは、2021年2月期連結業績予想を「未定」にすると発表した。写真は2017年12月、都内で撮影したセブン&アイ・ホールディングスのロゴ(2020年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 9日 ロイター] - セブン&アイ・ホールディングス<3382.T>とローソン<2651.T>は9日、2021年2月期の連結業績予想を「未定」にすると発表した。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、業績予想の合理的な算定が困難だとしている。

7&iHDの井阪隆一社長は会見で「21年2月期の見通しはできるだけ早く出したい」とする一方、中期計画については、複数年度にわたるため「もう少し時間をかけて、しっかりとしたものを示したい」と述べた。

新型コロナの影響で、国内コンビニは時間を短縮した営業や臨時休業に追い込まれた店舗もあり、今後の見通しは不透明だ。一方、米国でも感染拡大は続いており、3月後半から売上高が減少しているという。

ローソンの竹増貞信社長は「緊急事態宣言出たが、日本全国、海外含めて生活が激変しており、合理的な算出根拠が得られた時点で開示したい」とした。

7&iHDの井坂社長は、新型コロナの影響について「日々刻々と変わっていく。今、金額で示すのは難しい」とした。例えば、大手コーヒーチェーンが休業を発表すると、コンビニでのコーヒーの売り上げが増加するなどの現象が起きている。また、政府による7都府県への緊急事態宣言発令後は、駅ナカなどの売り上げが減少する一方で、中野区や世田谷区、杉並区などの住宅立地で2ケタの伸びを示すなど、立地による差が広がっている。

同社の20年2月期は、営業収益が2.2%減、営業利益が3.1%増となった。国内、海外コンビニ事業が増益に寄与した。

ローソンの20年2月期は営業総収入が前年比4.2%増、営業利益は同3.6%増だった。単体の既存店売上高は前年比0.1%増。

竹増社長は、3月の売り上げの状況について「前半は学校の休校が全国的に広がったが、売り上げにはそれほど大きな影響はなかった。後半、外出自粛要請が出てから影響が出た」と述べ、3月月間では、5%程度減だったとした。そのうえで、4月については、都会の昼間の人口減や人の動きの減少から「非常に大きなインパクトに徐々になってきた」という。

サプライチェーンについては、現時点で大きな影響はないとした。

政府に対しては、安心して買い物してもらうため、安心して働くためにも、マスクや消毒液不足に対応してもらうよう求めた。

*内容を追加しました。

(清水律子 内田慎一)

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

北・東欧8カ国首脳、EUの防衛強化訴え ロシアは「

ビジネス

米ワーナー、パラマウントの買収案拒否の公算 17日

ビジネス

FRBの追加利下げ、インフレリスク高める可能性=ア

ワールド

トランプ氏支持率39%に低下、経済政策への不満広が
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を変えた校長は「教員免許なし」県庁職員
  • 4
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 5
    「住民が消えた...」LA国際空港に隠された「幽霊都市…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    【人手不足の真相】データが示す「女性・高齢者の労…
  • 8
    FRBパウエル議長が格差拡大に警鐘..米国で鮮明になる…
  • 9
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 10
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 8
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 9
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 10
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中