ニュース速報

ビジネス

米大手行、中小企業の支援制度に難色 法的リスク警戒=関係筋

2020年04月02日(木)13時34分

 4月2日、複数の関係筋によると、米国の新型コロナウイルス対策の一環で導入された中小企業向け緊急融資制度への参加に米大手行が難色を示している。写真はニューヨークで2015年5月撮影(2020年 ロイター/MIKE SEGAR)

[ワシントン 1日 ロイター] - 複数の関係筋によると、米国の新型コロナウイルス対策の一環で導入された中小企業向け緊急融資制度への参加に米大手行が難色を示している。銀行側は法的なリスクが高すぎると主張しているという。

米議会は先週、2兆ドル規模の経済対策を可決。対策には中小企業向けの緊急融資制度(3490億ドル規模)が盛り込まれた。

この制度では、中小企業が今月3日から6月30日まで同制度に参加する銀行に融資を申請できる。トランプ政権は申請から数日以内の融資実行を銀行に求めている。

ただ1日開かれた銀行業界の会合では、一部の大手行が現在の形では参加を保留するとの意向を示した。

財務省は銀行に対し、借り手の申請資格の検証、詐欺や資金洗浄の防止、個人情報の保護を求めているが、銀行側は審査に十分な時間が取れないまま融資を実行した結果、不正を見抜けず法的な責任を問われるリスクや、通常通りの審査を行った場合に融資の実行が遅いと批判されるリスクを懸念しているという。

これを受け、財務省は借り手が複数の従業員を雇用していることを検証するといった審査手続きの省略を検討している。

具体的にどの銀行が難色を示しているのかは不明。

1日の業界会合を主催した銀行政策研究所(BPI)の会員にはJPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカ、ウェルズ・ファーゴ、シティグループなどが含まれる。

BPIはコメントを控えている。財務省、中小企業庁のコメントはとれていない。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ゼレンスキー氏、トランプ氏と28日会談 領土など和

ワールド

ナジブ・マレーシア元首相、1MDB汚職事件で全25

ワールド

ロシア高官、和平案巡り米側と接触 協議継続へ=大統

ワールド

前大統領に懲役10年求刑、非常戒厳後の捜査妨害など
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 4
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 5
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 6
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 7
    赤ちゃんの「足の動き」に違和感を覚えた母親、動画…
  • 8
    中国、米艦攻撃ミサイル能力を強化 米本土と日本が…
  • 9
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 10
    「時代劇を頼む」と言われた...岡田准一が語る、侍た…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 6
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 7
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 8
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 9
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中