ニュース速報

ビジネス

クルーズ船運航の米カーニバルが起債・新株発行、高コストで増資

2020年04月02日(木)13時17分

 4月2日、世界最大のクルーズ船運航会社、米カーニバルは1日、新たに債券と株式を発行し、合計62億5000万ドルを調達したと明らかにした写真はフロリダで2012年2月撮影(2020年 ロイター/Andrew Innerarity)

[1日 ロイター] - 世界最大のクルーズ船運航会社、米カーニバルは1日、新たに債券と株式を発行し、合計62億5000万ドルを調達したと明らかにした。新型コロナウイルス感染拡大に伴う景況悪化を乗り切るため、高コストでの資金調達に踏み切った。

感染拡大阻止のための移動制限で、同社はクルーズ船を運航できていないものの、関係者によると、今回の増資への投資家の関心は高かったという。

カーニバルは2023年償還債(表面利率11.5%)を40億ドル発行。発行額は当初予定していた30億ドルを上回った。今回、同社は投資家を集めるため、保有するクルーズ船を担保とする必要があった。

同社が昨年10月に欧州市場で起債し、6億ユーロ(6億5770万ドル)調達した際の利率はわずか1%だった。

同社は1日、転換社債(表面利率は5.75%)も発行し、17億5000万ドルを調達した。

このほか、同社は新株発行で5億ドルを調達。調達額は目標の12億5000万ドルには届かなかった。価格は1株8ドルだった。

増資のニュースを受け、同社の株価は1日、33.2%安の8.80ドルで引けた。

カーニバルは前日、今回の増資で向こう1年の債務返済に十分な資金が調達できるとの見方を示していた。

カーニバルの格付けは投資適格級だが、関係筋によると、クルーズ業界の窮状を踏まえ、今回の起債には主にジャンク債の投資家が応募してきたという。

同社の株価は年初来、80%超下落している。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ブラザーが価値向上策示せば、TOBに応じる可能性=

ビジネス

インテル、ASML次世代半導体装置を組み立て 世界

ビジネス

独経済、第1四半期はプラス成長の公算 回復兆候とは

ビジネス

ブルガリアのユーロ導入、数カ月後ずれも=中銀総裁
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の衝撃...米女優の過激衣装に「冗談でもあり得ない」と怒りの声

  • 3

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 4

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 5

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 6

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 7

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 8

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 9

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 10

    紅麴サプリ問題を「規制緩和」のせいにする大間違い.…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中