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ECB、新型ウイルスで直ちに行動せず 必要なら臨時会合も

2020年02月29日(土)00時44分

 2月28日、バシリアウスカス・リトアニア中銀総裁は、ECBが次回理事会で、新型コロナウイルスについて何らかの行動を取ることはないとの見方を示した。ただ、必要になれば、臨時会合を開く可能性はあると述べた。写真はECBのロゴ。フランクフルトで1月撮影(2020年 ロイター/Ralph Orlowski)

[ブリュッセル 28日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)当局者2人は28日、新型コロナウイルスの感染拡大でECBが直ちに行動を起こす必要はないという認識を示した。

理事会メンバーのバシリアウスカス・リトアニア中銀総裁は、ECBが3月12日の次回理事会で、新型ウイルスについて何らかの行動を取ることはないと表明。同時に必要なら臨時会合を開く可能性もあると述べた。

総裁は、ECBは現時点で新型ウイルスについて「様子見」の姿勢を取っているが、「次の理事会を待たずに臨時の形で会合を開催することに問題はない」と指摘した。

ECBは他国の中銀の決定を待って、新型ウイルスに関して行動するかどうかを決めるのかとの質問に対して、総裁は「われわれは他国の中銀と情報を交換し、行動を調整する」と応じた。

またECBは新型ウイルスのサプライチェーンへの影響を注視しているとし、「需要ショック」が起きた場合には消費への影響について分析する必要が出てくるかもしれないと語った。

ECBが現在実施している金融政策の戦略的見直しを巡っては、おそらく12月には結論が出るとした上で、ECBの機能に「大きな変化」があるとは思わないと述べた。

こうした中、ドイツ連銀のバイトマン総裁は、新型ウイルスによる経済的な影響の見極めは時期尚早だが、連銀が示した今年の成長見通し(0.6%)は見直しもあり得ると指摘。「成長率は昨年12月時点での予想を多少下回る可能性がある」と表明した。

新型ウイルスの流行に伴い、ECBが利上げする確率は延びつつあると認める一方、「超金融緩和はリスクや副作用と隣り合わせ」とし、金融緩和脱却への道筋を見失うべきではないと強調した。

*内容を追加しました。

ロイター
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