ニュース速報

ビジネス

英総合PMI速報値、12月は16年7月以来の低水準、選挙控え悪化

2019年12月17日(火)01時38分

12月16日、IHSマークイットが発表した12月の購買担当者景気指数(PMI)速報値は、製造業、サービス部門ともに景況感が一段と悪化した。ロンドンの金融街で2018年12月撮影(2019年 ロイター/Simon Dawson)

[ロンドン 16日 ロイター] - IHSマークイット/CIPSが発表した12月の購買担当者景気指数(PMI)速報値は、製造業、サービス部門ともに景況感が一段と悪化した。

12月12日の総選挙に向けて、産業界全体のムードが悪化したことがうかがわせ、第4・四半期がマイナス成長となる可能性を示唆した。

製造業とサービス部門を合わせた総合PMIは48.5で、前月(49.3)から低下、欧州連合(EU)離脱を決定した国民投票直後の2016年7月以来の低水準となった。

サービス部門PMIは49.0。市場の予想(49.5)に反して前月(49.3)から低下し、こちらも2016年7月以来の低水準。

製造業PMIは47.4。サービス部門と同じく市場の予想(49.3)に反して前月(48.9)から低下し、生産指数は2012年7月以来の低水準となった。当初離脱期日としていた10月31日に向け在庫積み上げの動きが出ていたが、こうした動きが解消したことが響いた。

INGのエコノミスト、ジェームズ・スミス氏は「前週の総選挙を受け英経済が急速に回復する公算が小さいことが今回の結果で改めて示された」と述べた。

一方、IHSマークイットのチーフ・ビジネス・エコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「今回の調査での明るい材料は主にセンチメントの改善で、先行き見通しに関する指数が6月以来の高水準に上昇した。企業は、選挙によって先行きの見通しが晴れ、需要を抑制してきた不確実性がある程度払しょくされると期待した」と指摘。パンテオン・マクロエコノミクスのサミュエル・トゥーム氏も、総選挙でジョンソン首相率いる与党・保守党が圧倒的な勝利を収めたことを受け企業投資が活性化し、英経済成長率は来年初頭は前期比0.4%に達する可能性があるとの見方を示した。

英PMIは、11月分から速報値の公表が始まった。11月改定値は、速報値から大幅に上方改定されている。

データ収集期間は12月5─12日。確報値は製造業が来年1月2日、サービス業が1月6日に公表される。

*内容を追加します。

(※原文記事など関連情報は画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください)

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

タイ憲法裁、首相の職務停止 軍批判巡る失職請求審理

ワールド

ロシア、ウクライナ東部ルハンスク州全域を支配下に 

ビジネス

仏ルノー、上期112億ドルの特損計上へ 日産株巡り

ワールド

マスク氏企業への補助金削減、DOGEが検討すべき=
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 2
    ワニに襲われ女性が死亡...カヌー転覆後に水中へ引きずり込まれる
  • 3
    普通に頼んだのに...マクドナルドから渡された「とんでもないモノ」に仰天
  • 4
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 5
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 6
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 7
    「パイロットとCAが...」暴露動画が示した「機内での…
  • 8
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    顧客の経営課題に寄り添う──「経営のプロ」の視点を…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 3
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門家が語る戦略爆撃機の「内側」と「実力」
  • 4
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 5
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 6
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた…
  • 7
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 8
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 9
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 10
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中