ニュース速報

ビジネス

独GDP、第3四半期は前期比+0.1%、景気後退回避

2019年11月22日(金)18時53分

 11月22日、ドイツ連邦統計庁が22日発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)は前期比0.1%増で、速報値からの改定はなかった。写真はドイツのコットブスにあるしょっぴんぐモールで昨年1月撮影(2019年 ロイター/Axel Schmidt)

[ベルリン 22日 ロイター] - ドイツ連邦統計庁が22日発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)は前期比0.1%増で、速報値からの改定はなかった。堅調な輸出と財政支出に支えられ、景気後退(リセッション)が回避された。

輸出は1%増。GDP伸び率への寄与度は0.5%ポイントだった。

ドイツ経済は、貿易摩擦の影響による製造業の不振、自動車産業の低迷、英国の欧州連合(EU)離脱を巡る不透明感などに圧迫されている。

経済界やエコノミストからは財政出動による景気刺激策を求める声が出ているが、政府は受け入れていない。

輸出が低迷する中、景気を支えているのは堅調な消費。

INGのカルステン・ブルゼスキ氏は投資家向けリポートで「個人消費の強さが引き続きリセッション回避に重要な役割を果たしている。個人消費は2014年初め以来、毎四半期拡大している」と指摘した。

政府は2年前の選挙以降、家族、学生、年金生活者への手当て増額を実施。減税やインフラ支出拡大にも乗り出している。

個人消費は0.4%増、政府支出は0.8%増で、GDP伸び率への寄与度は0.2%ポイント。

ただ、固定資産や設備への投資はマイナスとなり、企業がなお先行きを悲観していることをうかがわせた。

デカバンクのアンドレアス・シェウルレ氏は「在庫圧縮負担や設備投資の減少は、企業が世界的な不確実性や自動車業界が直面する問題に強く反応したことを示す」と述べた。

ドイツ自動車業界は、貿易摩擦や世界経済減速の影響に加え、電気自動車へのシフトや、より厳格な排ガス規制への対応にも迫られている。

この日発表された11月のドイツの購買担当者景気指数(PMI)速報値では、これまで製造業の不振を補ってきたサービス部門の景況感が悪化した。

VPバンク・グループのトマス・ギッツェル氏は「今後数四半期はリセッションか小幅な成長かというきわどい状況が続くだろう」と述べた。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ミャンマーで総選挙投票開始、国軍系政党の勝利濃厚 

ワールド

米、中国の米企業制裁「強く反対」、台湾への圧力停止

ワールド

中国外相、タイ・カンボジア外相と会談へ 停戦合意を

ワールド

アングル:中国企業、希少木材や高級茶をトークン化 
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 3
    【世界を変える「透視」技術】数学の天才が開発...癌や電池の検査、石油探索、セキュリティゲートなど応用範囲は広大
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 6
    中国、米艦攻撃ミサイル能力を強化 米本土と日本が…
  • 7
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 8
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 9
    【クイズ】世界で最も1人当たりの「ワイン消費量」が…
  • 10
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 9
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 10
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中